研究領域 | 分子ナノシステムの創発化学 |
研究課題/領域番号 |
23111704
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
中林 誠一郎 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70180346)
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キーワード | 非線形自励振動 / 自己組織化 / 非線形電気化学 / ネットワーク / 堅牢性 / 興奮性結合 / 蠕動運動 / バイオコンピューティング |
研究概要 |
非線形電気化学振動子は、oscillatory excitatory, excitatory coupling inhibitory couplingの4状態を設定でき、かつ、集団化に数制限がない。Excitatoryに結合した電気化学振動子は、その固有周波数比が整数に近いとき、結合強度(電極間距離)に応じて、引き込みが観測される。遅い振動数の振動子は、速い振動子に引き込まれる。このことを利用して、消化管の運動を電気化学振動子集団で模擬した。消化管運動とは、蠕動運動などの、時空コヒーレンスを保った.波動(電気生理学、カルシュウム波動)の伝搬と、この波動により誘起される平滑筋の収縮であるが、本実験では、このうち、波動の伝播を再構成の対象とした。1)波動伝搬の一方向性 2)上流損傷すると、下流が、集団のペースメーカとなるカスケード補償機構。3)カスケード補償の進行とともに周期が増大。以上3点の特徴すべてを満たすネットワークの構築に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集とモデル計算に時間が掛かり、論文発表が遅れ気味ではあるが、確実なデータと合理的なモデルを既に獲得しているため、現在論文発表準備超である。全体的に見て、新しい原理に基づく非線形ネットワークを実験理論の両面で完成できたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
興奮性振動子と振動性振動子の結合に関する引き込み現象の一般則を実験と理論両面から明らかにする。このことが判れば、腎孟中の振動生細胞(カハール細胞)密度が、上流から下流に向かって減少していることと、上流部の部分損傷を補償する機能発現との間の相関が明らかになると期待できる。
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