研究領域 | 分子ナノシステムの創発化学 |
研究課題/領域番号 |
23111712
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
是津 信行 名古屋大学, グリーンモビリティ連携研究センター, 准教授 (10432519)
|
キーワード | 単一電子素子 / ナノ粒子 / ナノクラスター / 自己組織化 / プラズマ加工 |
研究概要 |
1. Au@Auナノサテライト複合体の合成 既報の手法(Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 40(2001)346-349)に改良を加えた化学還元法により、粒子径12nmの単分散性金ナノ粒子を合成した。このナノ粒子を含む水溶液中において、直径1μmの金ワイヤーを電極、かつバイポーラ型高圧パルス電源を用いたソリューションプラズマスパッタ処理をおこなうことにより、金ナノ粒子表面に平均粒径2-5nmの金ナノクラスターを担持することに成功した。水溶液の温度や水溶液の導電率、液中グロー放電発生に関わる各パラメータそれぞれが、サテライト粒子となるナノクラスターの粒子径に影響を及ぼすことがわかった。特に、液体の温度を冷やすことによるクエンチ効果の促進が効果的であった。 2. Au@SiO_2@Auナノサテライト複合体の合成 コアとなる粒子径12nmの単分散性金ナノ粒子を含む溶液に、Sodium Silicateに5%の3-aminopropylsilane(APS)を加えた混合溶液を加えることにより、コア粒子を核とするゾルゲル反応によって、Au@SiO_2コアシェルナノ粒子の合成をおこなった。APSを微量混合することにより、この粒子の表面にアミノ基を導入することができた。実験条件の最適化により、シェル厚2-3nmまで薄化することができた。今後は、コア粒子を含まずに生成されたシリカ粒子の選択的除去について検討する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年4月に、昇格異動にともない研究拠点を大阪大学から名古屋大学に移した。装置類の移設および研究室の立ち上げに時間を取られ、特に真空装置類を用いた成膜プロセスに関する実験において、当初の計画よりも実験に遅れが出た。一方で、ナノサテライトアレイの合成においては、名古屋大学の強みであるプラズマプロセスを転用することにより、当初の計画よりもより優れた性能を有するものが得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り研究をおこなう。特に、やや遅れている真空装置の立ち上げを急ぐ。一方で、当初の計画を上回る成果が得られているナノサテライト複合体の合成について、液中グロー放電条件を最適化することにより、ナノサテライト複合体の合成精度の向上を進める。得られた成果については、迅速に権利化を進める。
|