• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

タンパク質超分子による「ナノ粒子とカーボンナノチューブ複合体」群の機能創発

公募研究

研究領域分子ナノシステムの創発化学
研究課題/領域番号 23111714
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

山下 一郎  奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (30379565)

キーワードナノバイオ / マイクロ・ナノデバイス
研究概要

カーボン系ナノマテリアルCNTを特異的に認識するペプチド(アプタマー)と水溶液中での無機材料析出能力を組み合わせて、CNTと半導体ナノ粒子を組み合わせた複合材料の作製を行いそのネット構造を作製して新機電気特性の創発を行った。
前年度までに作製したCoナノ粒子を内包するカーボンナノチューブ(CNT)に吸着するペプチド(アプタマー:MDYFSSPYYEQLFア)を外表面に提示した球殻状タンパク質(mDps:N、終濃度0.3mg/mL))とCNT(終濃度0.3mg/mL)を20mM HEPES (pH7.5)溶液中で混合し、超音波を印加して水溶液に可溶な複合材料(CNT+mDps:NP)を作製した。この複合材料の電子顕微鏡観察から、ナノ粒子とCNTが球殻状タンパク質の殻の厚みだけCNTと隔離されていることが示された。この複合体(CNT+mDps:NP)の溶液を対向するギャップ長3-5ミクロンの2つの電極間に滴下して、2次元ネットを作製した。電極間の複合体(CNT+mDps:NP)整列を促すため1Mhz,6Vppの電圧を印可した。さらに緩衝液などの影響を排除するため、作製されたネット構造は純水によりリンスし、緩衝薬剤の薄層による電気特性のノイズ成分を排除した。これにより多数のCNT電流経路とトンネル結合するナノドットから成る構造を作製した。この複合体(CNT+mDps:NP)2次元ネットや単体の電流-電圧の電気特性測定したところ、数10nAから数100nAオーダーの電流値でヒステリシスを形成するものが現れた。このヒステリシスの原因はまだ不明であるが、CNTネットだけでは生じないことから、タンパク質殻厚(約1.5-2mm)だけCNTと離れたCoナノ粒子が何らかの関与をしていると推測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りCNTとトンネルギャップ程度分離されたナノ粒子のネット構造の作製に成功し、その電気特性から新しい電流-電圧測定においてヒステリシス現象が見つかった。

今後の研究の推進方策

複合体ネットのトンネル接合の数がまだ少ないと判断されるため、今後は高周波電界配向を利用しつつ、高濃度の複合体の電極間配置を行い、電気特性の特徴抽出を行うことでヒステリシスの機構解明を進める。また電気特性の測定回数を増やして精度を高める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A water-soluble carbon nanotube network conjugated by nano particles with defined nanometer gaps2011

    • 著者名/発表者名
      M.Kobayashi, S.Kumagai, B.Zheng, Y.Uraoka, T.Douglas, I.Yamashita
    • 雑誌名

      Chem.Commun

      巻: 47 ページ: 3475-3477

    • DOI

      10.1039/c0cc05503d

    • 査読あり
  • [学会発表] タンパク質超分子によるナノ粒子+カーボンナノチューブの高密度集積構造の電気特性計測~ナノ粒子材料の比較2012

    • 著者名/発表者名
      山下一郎
    • 学会等名
      分子ナノシステムの創発化学第3回公開シンポジウム
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      2012-02-04

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi