(1)ADAMTS1各コンストラクトの構築およびタンパク発現解析 2種類のADAMTS1コンストラクトを作成した。COS細胞にtransient transfectionし、72時間後に培養上清を回収し、タンパク発現をウエスタンブロッティングで確認した。いずれのコンストラクトも細胞に導入した際に、上清中へリコンビナントタンパクが分泌されていた。 (2)血管内皮・リンパ管内皮細胞培養系における阻害効果のメカニズム 先の実験でタンパク発現を確認できたので、次に培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に対してタンパク含有上清を通常の内皮細胞用血清と1:1の割合で添加し、細胞増殖へ与える効果をMTSアッセイにて測定した。次にスクラッチアッセイを行い、内皮細胞の遊走能への効果を検討した。いずれの実験系においても、発現タンパク含有上清は、内皮細胞に対して阻害効果を示した。さらに、アポトーシスのマーカーであるAnnexin Vの発現を検討したところ、発現タンパク含有上清を添加した際に、Annexin V陽性細胞が増加することが明らかとなった。 (3)マトリジェルでの血管新生への効果 当初は担がんマウスを用いての腫瘍血管新生を検討することを予定していたが、まず初年度はマトリジェルを移植した担がんマウスモデルを利用し、リポフェクション法にて遺伝子導入を行い、各コンストラクトの血管新生阻害を検証した。マトリジェルをそれぞれ摘出し、内部の血管新生を検討したところ、二つのコンストラクト共に、血管新生を抑制していた。引き続き担がんマウスモデルで解析を行った。 連携協力者として以下の者が参加した。 岡山大学・大学院医歯薬学総合研究科 三好亨 岡山大学・医学部 大月孝志 岡山大学・大学院医歯薬学総合研究科 稲垣純子
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