研究領域 | 多様性と非対称性を獲得するRNAプログラム |
研究課題/領域番号 |
23112703
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
富田 野乃 (竹内 野乃) 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (80323450)
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キーワード | 翻訳 / リボソーム / RNA品質管理 / G蛋白質 |
研究概要 |
Hbs1、eEF1A、eRF3、Ski7などに代表されるリボソーム依存GTPaseファミリーは、真核細胞におけるmRNA品質管理機構において翻訳制御とmRNAの分解を共役させる重要な因子である。本研究課題では、これらGTPaseファミリーの詳しい作用機序を明らかにすることを目的とし、当該年度はまず、酵母由来再構築型生体外蛋白質合成系を確立した。さらにこのシステムに基づき、(1)GTPaseファミリーの機能を制御するStm1の機能解析、(2)Ski7の機能解析、を進めた。その結果、以下の事柄が明らかとなった。 (1)Stm1の機能解析: ・Stm1はアミノアシルtRNAのA-site結合を阻害し、翻訳伸長を停止させる。 ・Stm1はリボソームのサブユニット間を安定化し、不活化する。 ・eEF3はStm1が結合したリボソームにおける翻訳伸長に必要である。 ・Stm1は翻訳停止したリボソームに結合し、Hbs1のリボソーム結合を安定化する。 eEF3は、真菌に必須な翻訳伸長因子であると信じられてきたが、今回確立した酵母生体外蛋白質合成系による解析により、Stm1が結合したリボソームにおいてのみ必要であることが明らかとなった。また、RNA品質管理におけるGTPaseファミリーの機能についても、Stm1の役割をふまえて解析を進める必要があると強調される。 (2)Ski7の機能解析: ・Ski7がグアニン結合蛋白質であるが、GTPase活性は示さない。 ・Ski7にはリボソーム結合能を有する。 これまで、Ski7は遺伝子配列からG-proteinであることが示唆されてきたのみであり、生化学的な解析の報告はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
真菌における蛋白質合成およびRNA品質管理の研究分野は、生化学的な研究基盤がととのっていなかった。 当該分野において、独創性の高いアプローチを進めることができていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
構造解析や遺伝学的解析を取り入れるなど、より多角的なアプローチを展開する。
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