• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

リボソーム依存GTPaseを介した翻訳制御とRNA品質管理の連携機構

公募研究

研究領域多様性と非対称性を獲得するRNAプログラム
研究課題/領域番号 23112703
研究機関東京大学

研究代表者

富田 野乃 (竹内 野乃)  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (80323450)

キーワード翻訳 / リボソーム / RNA品質管理 / G蛋白質
研究概要

Hbs1、eEF1A、eRF3、Ski7などに代表されるリボソーム依存GTPaseファミリーは、真核細胞におけるmRNA品質管理機構において翻訳制御とmRNAの分解を共役させる重要な因子である。本研究課題では、これらGTPaseファミリーの詳しい作用機序を明らかにすることを目的とし、当該年度はまず、酵母由来再構築型生体外蛋白質合成系を確立した。さらにこのシステムに基づき、(1)GTPaseファミリーの機能を制御するStm1の機能解析、(2)Ski7の機能解析、を進めた。その結果、以下の事柄が明らかとなった。
(1)Stm1の機能解析:
・Stm1はアミノアシルtRNAのA-site結合を阻害し、翻訳伸長を停止させる。
・Stm1はリボソームのサブユニット間を安定化し、不活化する。
・eEF3はStm1が結合したリボソームにおける翻訳伸長に必要である。
・Stm1は翻訳停止したリボソームに結合し、Hbs1のリボソーム結合を安定化する。
eEF3は、真菌に必須な翻訳伸長因子であると信じられてきたが、今回確立した酵母生体外蛋白質合成系による解析により、Stm1が結合したリボソームにおいてのみ必要であることが明らかとなった。また、RNA品質管理におけるGTPaseファミリーの機能についても、Stm1の役割をふまえて解析を進める必要があると強調される。
(2)Ski7の機能解析:
・Ski7がグアニン結合蛋白質であるが、GTPase活性は示さない。
・Ski7にはリボソーム結合能を有する。
これまで、Ski7は遺伝子配列からG-proteinであることが示唆されてきたのみであり、生化学的な解析の報告はなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

真菌における蛋白質合成およびRNA品質管理の研究分野は、生化学的な研究基盤がととのっていなかった。
当該分野において、独創性の高いアプローチを進めることができていると考えている。

今後の研究の推進方策

構造解析や遺伝学的解析を取り入れるなど、より多角的なアプローチを展開する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Possible steps of complete disassembly of post-termination complex by yeast eEF3 deduced from inhibition by translocation inhibitors.2012

    • 著者名/発表者名
      Kurata S.
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Res.

      巻: (印刷中)(掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] RsfA (YbeB) Proteins Are Conserved Ribosomal Silencing Factors.2012

    • 著者名/発表者名
      Hauser R.
    • 雑誌名

      PLoS Genet.

      巻: 8(7) ページ: e1002815

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1002815

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Taurine-containing uridine modifications in tRNA anticodons are required to decipher non-universal genetic codes in ascidian mitochondria.2011

    • 著者名/発表者名
      Suzuki T.
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 286 ページ: 35494-8

    • DOI

      10.1074/jbc.Mill.279810

    • 査読あり
  • [学会発表] The Elongation Phase of Translation in Yeast2012

    • 著者名/発表者名
      富田野乃
    • 学会等名
      日本RNA学会
    • 発表場所
      東北大学(仙台、日本)
    • 年月日
      2012-07-20
  • [学会発表] Protein synthesis system of mammalian mitochondria2011

    • 著者名/発表者名
      富田野乃
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜、日本)(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-15

URL: 

公開日: 2014-07-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi