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2011 年度 実績報告書

細胞核mRNA制御プログラムとしてのmRNA輸送体多様化機構の解明

公募研究

研究領域多様性と非対称性を獲得するRNAプログラム
研究課題/領域番号 23112711
研究機関京都大学

研究代表者

増田 誠司  京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (20260614)

キーワードUAP56 / URH49
研究概要

真核生物においてmRNAは核内で転写された後、様々なmRNAプロセシングを受けて成熟mRNAとなる。mRNAプロセシング間の共役は、共役因子と呼ばれるタンパク質複合体が制御している。TREX複合体はmRNAのスプライシングと核外輸送を共役する機能を持つ共役因子であり、その構成因子UAP56は進化的に保存されている。UAP56には、ヒトやマウスなどのほ乳類では90%の相同性を持つURH49が存在する。我々は、UAP56とURH49がそれぞれ異なる複合体TREXならびにAREXを形成すること、さらにそれぞれの複合体を通して異なる生理機能を担っていることを明らかにしてきた。ここでは新たに同定したAREX複合体の新規構成因子を同定すること、非常に相同性の高い両者が形成する異なる複合体の構築原理を明らかにすること目的としている。
まずURH49の形成する複合体の構成因子について解析した。質量分析法により、10を超える候補因子の同定に成功した。現在この中でAREXの機能発現に必要な因子の同定を進めている。次に異なる複合体の形成に関わる領域の解析を行った。UAP56とURH49のいずれの末端の欠損変異体においては、TREXあるいはAREX複合体形成能が低下することを観察した。一方で末端のキメラ変異体は、いずれも元のUAP56あるいはURH49と同じ複合体形成能を示した。これらの結果からTREX,AREX複合体形成においてUAP56やURH49の末端領域は重要であるが、複合体形成の違いを制御している領域は他に存在している可能性が示唆された。そこでコア領域を入れ替えたキメラ変異体について細胞内機能を検証した結果、いくつかのURH49変異体がUAP56と同様の機能を持つ可能性が示唆された。これら変異体の複合体形成能について現在検証している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

URH49の形成するAREX複合体の構成因子候補を同定した。これは平成24年度において、AREXの機能発現に必要な因子の決定につながる成果である。またUAP56とURH49が異なる複合体を形成するために必要な領域を解析するためのアッセイ系を構築し、必要な領域の解析を行った。そして重要となる可能性のあるアミノ酸を同定しつつある。したがって24年度の解析により、その領域を同定する足がかりを得ている。

今後の研究の推進方策

予定通りに進めていくことにしている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] mRNA輸送体の多様化とその生物学的意義2012

    • 著者名/発表者名
      山崎智弘、増田誠司
    • 雑誌名

      化学と生物

      巻: 50 ページ: 9-11

  • [雑誌論文] Enhancing recombinant protein production in human cell lines with a constitutive transport element and mRNA export proteins2011

    • 著者名/発表者名
      Aihara Y, Fujiwara N, Yamazaki T, Kambe T, Nagao M, Hirose Y, Masuda S
    • 雑誌名

      J Biotechnol

      巻: 153 ページ: 86-91

    • DOI

      10.1016/j.jbiotec.2011.03.024

    • 査読あり
  • [学会発表] mRNA輸送因子DBP5の核-細胞質間輸送とmRNA輸送の相関性2012

    • 著者名/発表者名
      志岐拓哉、宮前友策、永尾雅哉、神戸大朋、増田誠司
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      京都・京都女子大学
    • 年月日
      2012-03-25
  • [学会発表] mRNA輸送因子UAP56とURH49の形成する異なる複合体構築機構の解明2012

    • 著者名/発表者名
      藤田賢一、宮前友策、永尾雅哉、神戸大朋、増田誠司
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      京都・京都女子大学
    • 年月日
      2012-03-24
  • [図書] Cell Biology, ISBN 979-953-307-505-0(eds by Najman, S.)(InTech-Open Access Publisher)2012

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara, N., Shiki, T., Masuda, S.
    • 出版者
      mRNA biogenesis in the nucleus and its export to the cytoplasm(in press)

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公開日: 2013-06-26  

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