• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

近赤外Tetデグラトンプローブによる新規時空間分解イメージング手法の開発

公募研究

研究領域細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング
研究課題/領域番号 23113502
研究機関筑波大学

研究代表者

三輪 佳宏  筑波大学, 医学医療系, 講師 (70263845)

キーワード近赤外 / 蛍光 / 非侵襲 / イメージング
研究概要

テーマ1) in vivo 近赤外蛍光3次元スキャン法の確立
1- i )自発成熟IFP 技術の確立と応用   IFP ( Shu et al., Science, 2009 )は蛍光強度が不十分であるため、この問題を解決するためのIFP および組み合わせるヘム代謝系の改変を実施した。ヘムオキシゲナーゼと合わせて、できたビリベルジンをただちに代謝してしまうビリベルジンリダクターゼも含んだ細胞内ヘム代謝系とIFP 蛍光強度との相関を明らかにし、より蛍光強度を増すことができる技術を確定させた。また新たな改良版であるiRFPの応用も進めた。
1- ii )完全無蛍光飼料の開発   すでに750 nm 以上の波長領域では完全無蛍光な飼料を開発できたが、650 nm 以上の波長域でも完全無蛍光の飼料を開発する上で、a) 飼料用の材料に主成分以外で混入している成分、b) 免疫不全マウスで利用できるようにガンマ線滅菌する際に強力な放射線による化学反応で発生してしまう成分、の問題をさまざまな食品性材料に詳細な検討を加えることにより解決し、IFP の波長域で完全無蛍光なマウス飼育飼料を実現した。その飼料によるマウス健康維持への影響についても検討を進めた。
テーマ2) in vitro 細胞周期解析技術の確立   IFP-Tet デグラトンプローブを構築し、dox の有無により十分な分解とその停止の制御が可能かどうか、それにともなう十分な蛍光強度変化が見られるかどうかについて検討した。また、ビリベルジン添加後の蛍光を発するまでの成熟速度の検討、光るようになったIFP の安定性、など将来的に時間分解解析に必要となるあらゆるパラメーターについて詳細な検討を加えた。IFP、Tet デグラトンプローブ、そのリンカー配列などに遺伝子レベルでの改変を加え、目的を満たすような改変型プローブを作成した

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた3つのテーマ、1- i )自発成熟IFP 技術の確立と応用、1- ii )完全無蛍光飼料の開発、テーマ2) in vitro 細胞周期解析技術の確立、はいずれもほぼ達成できており、「おおむね順調」にあてはまる。

今後の研究の推進方策

テーマ1) in vivo 近赤外蛍光3次元スキャン法の確立
1- i )自発成熟IFP 技術の確立と応用   IFP ( Shu et al., Science, 2009 )の改良版であるiRFPの応用をさらに進める。現在の方法ではヘムオキシゲナーゼを用いているが、できたビリベルジンをただちに代謝してしまうビリベルジンリダクターゼもあらゆる細胞中にユビキタスに発現しており、このヘム代謝系のトータルなバランスによってIFP の蛍光強度が左右される可能性がある。そこで、こうした細胞内ヘム代謝系とIFP 蛍光強度との相関を明らかにし、より蛍光強度を増すこと
ができる技術を確定させる。
1- ii )完全無蛍光飼料の開発   650 nm 以上の波長域でも完全無蛍光の飼料を開発する上で、さまざまな食品性材料に詳細な検討を加えることにより、iRFP の波長域で完全無蛍光なマウス飼育飼料を実現したので、つづいてその飼料によるマウス健康維持への影響について検討する。
テーマ2) in vitro 細胞周期解析技術の確立   23年度当初に予定していたIFPから、より機能的なiRFPへと変更したため、構築したiRFP-Tet デグラトンプローブを用いて、dox の有無により十分な分解とその停止の制御が可能かどうか、それにともなう十分な蛍光強度変化が見られるかどうかについて検討する。また、ビリベルジン添加後の蛍光を発するまでの成熟速度の検討、光るようになったiRFP の安定性、など将来的に時間分解解析に必要となるあらゆるパラメーターについて詳細な検討を加える。必要に応じて、iRFP、Tet デグラトンプローブ、そのリンカー配列などに遺伝子レベルでの改変を加え、目的を満たすような改変型プローブを作成する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Environmental polarity estimation in living cells by use of quinoxaline-based full-colored solvatochromic fluorophore PQX and its derivatives2012

    • 著者名/発表者名
      Kudo K,
    • 雑誌名

      Photochem Photobiol Sci.

      巻: 11 ページ: 674-678

    • DOI

      10.1039/C2PP05337C

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Elliptic curves and Fibonacci numbers arising from Lindenmayer system with symbolic computation.2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshida H
    • 雑誌名

      APPLICABLE ALGEBRA in ENGINEERING, COMMUNICATION and COMPUTING

      巻: 22 ページ: 147-164

    • 査読あり
  • [学会発表] episomal型ベクターを用いたマルチカラーイメージングの新展開

    • 著者名/発表者名
      三輪佳宏
    • 学会等名
      農芸化学会2012
    • 発表場所
      京都女子大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 近赤外蛍光を用いたマウス非侵襲 whole body イメージング

    • 著者名/発表者名
      三輪佳宏
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会バイオメディカルニューマイクロスコープ分科会
    • 発表場所
      帝京大学
  • [学会発表] 蛍光バイオイメージングの実際

    • 著者名/発表者名
      三輪佳宏
    • 学会等名
      つくば学際ワークショップ
    • 発表場所
      筑波大学
  • [学会発表] Establishment of NIR fluorescent in toto imaging system

    • 著者名/発表者名
      三輪佳宏
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
  • [学会発表] ケミカルスクリーニングに向けたハイスループットEGFシグナル検出プローブの開発

    • 著者名/発表者名
      田中順子
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
  • [学会発表] 共創研究!化学とバイオイメージング

    • 著者名/発表者名
      三輪佳宏
    • 学会等名
      日本化学会生体機能関連化学部会若手の会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 蛍光in totoイメージングの現状と応用と展望

    • 著者名/発表者名
      三輪佳宏
    • 学会等名
      酸化ストレス研究会
    • 発表場所
      館山
    • 招待講演
  • [学会発表] 創薬支援の蛍光イメージング

    • 著者名/発表者名
      三輪佳宏
    • 学会等名
      大阪大学特別講演会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi