研究領域 | 細胞機能と分子活性の多次元蛍光生体イメージング |
研究課題/領域番号 |
23113517
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
片貝 智哉 関西医科大学, 医学部, 講師 (00324682)
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キーワード | 樹状細胞 / 細胞極性 / 細胞骨格 / ストローマ細胞 / リンパ球 |
研究概要 |
免疫系細胞は全身を監視するために血液中を循環しながら必要に応じて組織に移行し、活発な遊走能を発揮して感染部位や病変組織へと急行する。すなわち素早く移動すること自体が免疫細胞の重要な機能のひとつであるといえる。本研究では二光子励起レーザー顕微鏡を用いた組織内ライブイメージングにより、リンパ節間質を高速移動するT細胞の内部構造と細胞極性の動態観察および隣接する組織細胞の同時可視化を試み、3次元的組織微小環境内におけるT細胞の遊走原理を究明することを目的としている。 4チャンネル同時取得可能な二光子励起レーザー顕微鏡システムを用いたマウスのリンパ節生体イメージングの方法として、個体を用いたIntravital法、リンパ節Explant法、組織Slice法をそれぞれ確立しており、状況に応じて方法を選択、比較が可能な状態となっている。また、タイムラプス観察の画像データを三次元的に再構築し、詳細に解析する一連の作業工程も確立している。予備検討として、試験管内において活性化したT細胞をマウスに移入することで、リンパ節に移行させることが可能であることが判明し、遺伝子発現系を導入し、目的タンパク質の可視化を進めている。 CAG-ECFPマウス、CD11c-Venusマウスをそれぞれ用いた観察系や骨髄キメラマウスの作成等の手技的な基盤は整ったことから、今後これらを組み合わせ、ストローマ細胞と樹状細胞のネットワーク構造を同時可視化たうえで、T細胞動態の観察を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生体イメージングの実験系はほぼ確立し、興味深い知見が得られつつある。一方、T細胞に遺伝子を導入し発現させたうえで、細胞動態を観察する実験系は手技上の困難がともない、予定よりやや遅れている現状である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、リンパ球において細胞内構造の可視化するための発現システム構築を進めるとともに、動物個体において融合蛍光タンパク質を発現する遺伝子改変マウス系統を作成あるいは入手を試みる。
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