研究領域 | 細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究 |
研究課題/領域番号 |
23113702
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀内 久徳 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90291426)
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キーワード | Ral / Muncl3-4 / カルシウムセンサー / 調節性開口放出 / Rab27 / GTP結合蛋白質 |
研究概要 |
我々は血小板における開口放出に低分子量GTP結合蛋白質Ralとそのエフェクターであるexocyst複合体およびRab27とそのエフェクターであるMuncl3-4が深く関わっている。Ralの抑制性制御因子Ral GTPase活性化因子(RalGAP)は長らく未知であったが、最近我々はRalGAPを同定し世界に先駆けて報告した(JBC,2009)。RalGAPはα活性サブユニットとβ調節サブユニットのヘテロ2量体であった。αサブユニットはmTOR活性を制御するRhebのGAPであるTSC2に相同性があり、哺乳類では脳で優位に発現するα1、肺・肝・膀胱で優位に発現するα2の2遺伝子が存在した。本研究ではRal・RalGAPの制御する開口放出、エンドサイトーシス制御の研究を発展させるとともに、KOマウスを最大限に利用して生理的および病態におけるRal・RalGAPが制御する細胞内ロジスティクの役割を個体レベルで解明する。また、Rab27とMuncl3-4の制御機構やRal-exocyst複合体系との関わりも解明する事を目指した。本年度はT Martin博士(Wisconsin大学)との共同研究で、Ca2+/リン脂質結合ドメインであるC2ドメインをN末端とC末端に持つMuncl3-4の両方のC2ドメインが血小板等の顆粒放出に重要であること、さらに両方のC2ドメインにはカルシウムイオンが実際に結合し、SNARE分子を含有するliposomeを用いた解析によってMuncl3-4はCa2+依存的にSNARE複合体形成を制御する開口放出のCa2+センサーとして機能することを明らかにし、Muncl3-4が放出のカルシウムセンサーとして機能することを明らかにした(JCB in press)。さらに、Muncl3-4が原因である遺伝病の迅速診断法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ralに関する研究は現在進行中であるが、本年度は、Muncl3-4が放出のカルシウムセンサーとして機能することを明らかにし(JCB in press)、さらに、Muncl3-4が原因である遺伝病の迅速診断法を開発し(Blood,2011)、論文を2報発表する事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
RalおよびRalGAPによる開口放出機構について、細胞生物学的にさらに深く解明するとともに、完成しているRalGAP遺伝子欠損マウスを用いて開口放出が障害された病態におけるRalおよびRalGAPの役割を解明する。
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