公募研究
B細胞表面のBCRは抗原などにより架橋されると速やかにエンドサイトーシスされ、エンドソーム/リソソームで抗原は分解される。前年度、エンドソーム/リソソームに局在するBCRがROS産生を介してB細胞の活性化に関わることを明らかにした。そこで、まず、BCR架橋に伴うエンドソームでのROS産生が実際にシグナル伝達に関わるかを明らかにするため、N-アセチルシステインなどでROS産生を阻害して種々のシグナル分子の活性化を解析したところ、ROS産生阻害によりシグナル分子の活性化が減弱することを観察した。その結果は、エンドソームのBCRがROS産生を介してシグナル伝達に関わることを示唆する。一方、ROS産生を阻害しても、BCRのエンドサイトーシスやエンドソーム/リソソームへの輸送は阻害されなかった。さらに、NADPH oxidase阻害剤でB細胞を処理するとエンドソームでのROS産生がおこらなくなったことから、BCR架橋によるROS産生にはNADPH oxidaseが関与することが明らかとなった。また、B細胞株に蛍光タンパクとRab5, Rab7, Rab11などとの融合タンパクを発現させ、BCRを架橋した。エンドサイトーシスされた分子は通常Rab5陽性初期エンドソームからRab7陽性後期エンドソームまたはRab11陽性リサイクリングエンドソームへと輸送されるが、BCRはRab5,Rab7,Rab11のすべてが陽性の通常は見られないコンパートメントに局在した。また、BCRに局在するエンドソームではpHが比較的高いままで持続した。この結果は、BCR架橋によりBCRが特殊なエンドソームに輸送されることを示している。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 5件)
J. Immunol.
巻: 190 ページ: 3189-3196
10.4049/jimmunol.1203364.
Cells
巻: 1 ページ: 1156-1167
巻: 0 ページ: 0
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
巻: 109 ページ: 7811-7816
10.1073/pnas.1204509109
Infect Disord Drug Targets
巻: 12 ページ: 181-190
BMC Immunol.
巻: 13 ページ: 72
10.1186/147-2172-13.72.