研究領域 | 細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究 |
研究課題/領域番号 |
23113713
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
花房 洋 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (00345844)
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キーワード | LRRK1 / EGFR / endosome / dynein |
研究概要 |
ROCOファミリーキナーゼLRRK1はRasに似たGTPaseドメインとMAPKKKに似たキナーゼドメインを持つユニークな分子である。これまで我々は、LRRK1がEGFRの細胞内トラフィックを制御することを明らかにしてきた。LRRK1はEGF刺激依存的にEGFRと複合体を形成し、EGFRの早期エンドソームから後期エンドソームへの移行を制御する。生細胞を用いたタイムラプス観察から、LRRK1によるEGFRの輸送制御は微小管上をDyneinモータータンパク質依存的に行われることを明らかにした。この輸送制御にはLRRK1のキナーゼ活性が重要な働きをしており、恒常的に活性化させたLRRK1を発現させると、EGFRの輸送が過剰に促進されることを見いだした。その結果、EGFRを含むエンドソームでは早期エンドソームから後期エンドソームへの成熟が異常となり、核付近に肥大化した未成熟でミックスされた小胞を形成する。電子顕微鏡観察から、これらの小胞では内部小胞の形成が阻害されていることを明らかにした。またLRRK1のキナーゼ活性は、複合体に含まれるEGFRによってリン酸化され抑制されていることも明らかにした。EGFRキナーゼの活性はエンドサイトーシスに重要であることが知られているが、本研究から、EGFRキナーゼはLRRK1を負に制御することで自身の細胞内トラフィックを適切に制御していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LRRK1によるEGFR細胞内トラフィックの制御機構に関し、現在のところ順調に成果を出し論文としても発表できている。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに得られた知見をもとに研究計画に沿って研究を遂行する。 これまでのところ特に大きな問題はなく、本年度中に論文として発表できるよう研究を進める予定である。
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