研究領域 | 細胞内ロジスティクス:病態の理解に向けた細胞内物流システムの融合研究 |
研究課題/領域番号 |
23113726
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30179569)
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キーワード | 小胞体 / サブコンパートメント / 小胞体関連分解 / 小胞輸送 / 逆行輸送 |
研究概要 |
初期分泌経路の破綻と神経変性疾患の関連を解明するために、γ-セクレターゼ複合体(アルツハイマー病に関連)の形成に関与するRer1および家族性筋萎縮性側索硬化症の原因遺伝子の一つであるVAP-Bについて、その機能および動態について解析を行っている。 1)Rer1の新規な機能 Rer1はゴルジ体から小胞体への逆行輸送に関与するが、ERGIC-53の小胞体からの順行輸送以外に、水疱性口内炎ウイルスの糖タンパク質(VSVG)およびSac1(ホスホイノシチドホスファターゼ)の順行輸送にも関与することを明らかにした。また、Rer1の多数の変異体を作製し、そのゴルジ体局在シグナルがC末端細胞質領域に存在することを明らかにした。γ-セクレターゼ複合体形成のアッセイ系は構築中であり、ゴルジ体から小胞体への逆行輸送に関与する輸送小胞の単離法の確立も現在進めている。 2)VAP-BおよびBap29の小胞体内循環 VAP-Bの酵母ホモログであるScs2は、Bap31およびBap29の酵母ホモログであるYet3およびYet1と結合し、転写抑制因子Opi1を小胞体に留める役割(転写抑制機能の阻害)をしている。動物細胞では、Bap31は小胞体関連分解(ERAD)に関与し、小胞体の細胞周辺部と核近傍のERADに関与する小胞体サブドメイン(quality control compartment)を循環していると考えられている。Bap31の循環に伴ってBap29も循環し、この循環はBap31によって駆動されていることが判明した。VAP-Bについて調べところ、VAP-Bは循環していないことが判明した。現在、VAPのもう一つのアイソフォームであるVAP-Aの循環を調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規のタンパク質複合体の発現系の構築にやや時間がかかっているが、他の計画についてはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
新規教員の加入など、研究体制がより整ったので、今後は研究を推進できると考えている。
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