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2012 年度 実績報告書

腸内細菌による大腸炎が大腸異型陰窩の幹細胞に作用し腺腫形成を誘導する機構

公募研究

研究領域感染・炎症が加速する発がんスパイラルとその遮断に向けた制がんベクトル変換
研究課題/領域番号 23114502
研究機関筑波大学

研究代表者

加藤 光保  筑波大学, 医学医療系, 教授 (20194855)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード大腸癌 / 異型陰窩 / 組織幹細胞 / 3次元定量病理学
研究実績の概要

Apc-Min/+マウスにデキストラン硫酸塩(DSS)を投与すると定常状態を保っている大腸のβカテニン蓄積陰窩(BCAC)が腺腫に進展する。組織の連続切片の3次元再構築と種々の免疫染色を行ってこの過程を詳細に観察し、BCACの総細胞数ならびに増殖細胞数などを定量解析した。私達はすでに正常陰窩で間欠的に増殖している細胞が存在することを明らかにしていたが、BCACでも同様に間欠的に増殖している細胞が存在し、BCACでは正常陰窩に比べてその数が増加し、全体の半数以上を占めていた。しかし、陰窩を形成している総細胞数の増加はわずかに留まっていた。ここにDSS投与が加わると、増殖細胞が増え、BCACは枝分かれしながら、総細胞数が一気に増加して腫瘍化し始めた。この解析過程で、3次元空間内の一定の範囲内に存在する細胞数をカウントする新規の方法を共同開発し特許を出願した。DSSの投与により正常の陰窩も過形成を示したが、その際には間欠的な細胞増殖を示す細胞の増加は見られず、この変化はApc遺伝子変異に基づくもので炎症による影響を受けなかった。さらにこのような細胞動態の解析を可視化することを目指して、間欠的に増殖する細胞に発現する遺伝子の同定を目的とした研究を進めた。種々の幹細胞マーカー分子のタンパク質レベルでの発現は特異的な分子の同定に至らず、現在、他の解析から注目するに至った転写因子とその標的遺伝子産物について、腫瘍化に関わる間欠的増殖細胞との関係を調べている。この分子の発現が間欠的に増殖している細胞に強く出ているという結果が得られたら、この遺伝子の発現依存的に蛍光物質を発現する細胞を作製し、間欠性増殖細胞の増殖動態の解析、ならびにこの細胞が組織幹細胞としての特性を持つか否かについてさらに解析を続けて行く予定である。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Smad2/Smad3 in endothelium is indispensable for vascular stability via S1PR1 and N-cadherin expressions.2012

    • 著者名/発表者名
      Itoh F et al.
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 152 ページ: 5320-5328

    • DOI

      10.1182/blood-2011-12-395772

  • [学会発表] Intermittently proliferating Geyser cells in the colonic mucosa2012

    • 著者名/発表者名
      Mitsuyasu Kato
    • 学会等名
      LICR TGF-beta meeting
    • 発表場所
      Leiden (the Netherlands)
    • 年月日
      2012-08-29 – 2012-08-31
    • 招待講演
  • [学会発表] 3次元定量組織学解析による発がんメカニズムの研究2012

    • 著者名/発表者名
      加藤光保
    • 学会等名
      第101回日本病理学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2012-04-26 – 2012-04-28
  • [備考] 筑波大学大学院人間総合科学研究科実験病理学研究室

    • URL

      http://www.md.tsukuba.ac.jp/epatho/

  • [産業財産権] 画像処理システム、画像処理方法及び画像処理プログラム2012

    • 発明者名
      加藤 光保他
    • 権利者名
      加藤 光保他
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2012-140594
    • 出願年月日
      2012-06-22

URL: 

公開日: 2018-02-02  

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