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2011 年度 実績報告書

C型レクチン受容体を介した炎症制御と腸管ポリープ形成の解析

公募研究

研究領域感染・炎症が加速する発がんスパイラルとその遮断に向けた制がんベクトル変換
研究課題/領域番号 23114504
研究機関信州大学

研究代表者

角田 茂  信州大学, ヒト環境科学研究支援センター, 助教 (80345032)

キーワード癌 / 微生物 / 糖鎖 / 生理活性 / 炎症
研究概要

腸管は極めて多数の微生物と常に接していることから、微生物との強い相互作用を介して恒常性が維持されている。そのため、大腸がん発症においては、これら微生物の影響を強く受けることが知られているが、詳細については未だ不明である。申請者はこれまで、家族性大腸腺腫症のモデル動物であるApc^<Min>マウスを用いた解析から、IL-17A/IL-17Fが腸管ポリープ形成に促進的な役割を担っていることを見いだしている。一方、微生物センサーであるToll様受容体(TLR)を介した腸内細菌との相互作用が腸管ポリープ形成に影響を及ぼすことが報告されているが、TLRとは異なる特性を持つ微生物センサーであるC型レクチン受容体(CLR)についてはほとんど解析がなされていなかった。
そこで本研究では、「感染-炎症-がん」の関係について、「腸内細菌-CLR-IL17-ポリープ形成」軸に焦点を当て解析を行った。CLRの中でも特にDectin-1に注目し、Apc^<Min> Dectin-1 KOマウスを作出したところ、TLR欠損の場合とは異なり、予想に反してDectin-1欠損が欠損すると腸管ポリープ形成が増悪化することがわかった。このことは当初想定した「腸内細菌-CLR(Dectin-1)-IL17-ポリープ形成」が単純には当てはまらないことを示している。現在、その分子機構について詳細な検討を進めている。
連携研究者:岩倉洋一郎、唐 策(東京大学・医科学研究所)、樋口京一(信州大学・医学系研究科)、松本清司(同・ヒト環境科学研究支援センター)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の計画に基づきApc^<Min> Dectin-1 KOマウスの解析を行ったが、Dectin-1欠損が欠損すると腸管ポリープ形成が増悪化し、IL-17A/Fの制御機構および腸内細菌の関与について当初の想定と異なる結果が一部得られているが、ほぼ計画通りに研究を進めている。

今後の研究の推進方策

Dectin-1欠損による腸管ポリープ形成増悪化の原因について、その分子機構を明らかにする。また、Dectin-1のリガンド糖鎖であるβグルカンとの関係を検討し、食餌性βグルカンが腸管ポリープ形成に与える影響の解析を行うことにより、リガンド糖鎖による予防・治療など臨床応用も視野に入れて研究を進める。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] In vivo imaging visualizes discoid platelet aggregations without endothelium disruption and implicates contribution of inflammatory cytokine and integrin signaling2012

    • 著者名/発表者名
      Nishimura S.
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 119 ページ: e45-e56

    • DOI

      10.1182/blood-2011-09-381400

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Up-regulation of polymeric immunoglobulin receptor expression by the heat-inactivated potential probiotic Bifidobacterium bifidum OLB6378 in a mouse intestinal explant model2012

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Y.
    • 雑誌名

      Scandinavian Journal of Immunology

      巻: 75 ページ: 176-183

    • DOI

      10.1111/j.1365-3083.2011.02645.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 真菌免疫応答におけるC型レクチン受容体の役割2012

    • 著者名/発表者名
      角田茂
    • 雑誌名

      化学療法の領域

      巻: 28 ページ: 59-66

  • [雑誌論文] Kjellmaniella crassifolia Miyabe (Gagome) Extract Modulates Intestinal and Systemic Immune Responses2011

    • 著者名/発表者名
      Yan H.
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 75 ページ: 2178-2183

    • DOI

      10.1271/bbb.110473

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NYAP : a phosphoprotein family that links PI3K to WAVE1 signalling in neurons2011

    • 著者名/発表者名
      Yokoyama K.
    • 雑誌名

      EMBO Journal

      巻: 30 ページ: 4739-4754

    • DOI

      10.1038/emboj.2011.348.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A tecpr1-dependent selective autophagy pathway targets bacterial pathogens2011

    • 著者名/発表者名
      Ogawa M.
    • 雑誌名

      Cell Host & Microbes

      巻: 9 ページ: 376-389

    • DOI

      10.1016/j.chom.2011.04.010

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸管ポリープ形成におけるIL-17ファミリーの役割の解析2012

    • 著者名/発表者名
      角田茂
    • 学会等名
      平成23年度「個体レベルでのがん研究支援活動」班ワークショップ
    • 発表場所
      大津
    • 年月日
      20120118-20120119
  • [学会発表] Apc^<Min>マウスの腸管ポリープ形成におけるIL-17AおよびIL-17Fの役割(Involvement of interleukin (IL)-17A and IL-17F in development of intestinal polyps in Apc^<Min> mice)2011

    • 著者名/発表者名
      Shigeru Kakuta
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      20111127-20111129
  • [学会発表] 疾患モデルマウスを用いた腸管ポリープ形成におけるIL-17AおよびIL-17Fの役割の解析2011

    • 著者名/発表者名
      角田茂
    • 学会等名
      第58回日本実験動物学会総会
    • 発表場所
      江戸川
    • 年月日
      20110525-20110527
  • [学会発表] 遺伝子改変マウスを用いたIL-17A/Fの感染・炎症・発がんにおける役割の解析2011

    • 著者名/発表者名
      角田茂
    • 学会等名
      第30回信州免疫アレルギー懇話会
    • 発表場所
      松本
    • 年月日
      2011-12-21
  • [学会発表] 遺伝子改変マウスを取り巻く最近の動向と基礎医学研究への応用2011

    • 著者名/発表者名
      角田茂
    • 学会等名
      信州実験動物研究会第76回勉強会
    • 発表場所
      松本(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-21
  • [図書] 論文ができてしまう!疾患モデルマウス表現型解析指南2011

    • 著者名/発表者名
      山村研一
    • 総ページ数
      316-321,451-454
    • 出版者
      中山書店
  • [図書] seriesモデル動物利用マニュアル免疫疾患-疾患モデルの作製と利用2011

    • 著者名/発表者名
      岩倉洋一郎
    • 総ページ数
      215-222
    • 出版者
      エル・アイ・シー
  • [備考]

    • URL

      http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.jpfVPpLU.html

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公開日: 2013-06-26  

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