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2012 年度 実績報告書

機能性クロマチンモデルとしての人工遺伝子制御システムによる遺伝子転写調節概念

公募研究

研究領域遺伝情報収納・発現・継承の時空間場
研究課題/領域番号 23114717
研究機関九州大学

研究代表者

片山 佳樹  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70284528)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード生体材料 / 生物・生体工学 / 遺伝子 / バイオテクノロジー / 分析化学
研究実績の概要

これまでに開発してきた細胞内キナーゼ応答型の遺伝子転写制御剤を用いて転写制御がDNA鎖の運動性に依存することを証明するために、DNAを蛍光修飾して、その蛍光寿命変化から評価を試みたが、DNA鎖の運動と蛍光寿命のタイムスケールに違いがあり、種々の検討でも評価は困難であった。そこで次に、蛍光偏光解消を利用してDNA鎖の運動性の評価を検討した。DNA鎖を蛍光性インターカレーターで標識し、プロテインキナーゼCの基質をグラフとした高分子型遺伝子制御剤と複合体を形成後、遺伝子の転写が抑制されることを確認してから、蛍光偏光解消を評価した。その結果、遊離のDNA鎖に比較して、高効率に遺伝子転写が抑制される当該複合体においてはその運動性が大きく低下していることが明らかとなった。次いで、この複合体中の基質ペプチドをプロテインキナーゼCでリン酸化して転写が回復するが複合体は崩壊しない時点での蛍光変更解消を評価したところ、確かにDNA鎖の運動性が回復していた。本成果は、遺伝子の転写制御を支配する物理化学的因子を明らかにし、新しい遺伝子転写制御メカニズムを提唱するものである。また、この原理を利用し、複合体内のDNA鎖の運動をさらに効率よく抑制できるように主鎖をポリエチレンイミンとし、さらに疎水基を導入したタイプの制御剤を開発したところ、極めて高効率に遺伝子転写を抑制した。さらに、標的キナーゼであるプロテインキナーゼCαは、がん細胞で特異的に亢進しているため、これをがん細胞に適用したところ、本キナーゼが活性化していない場合に比べ、数百倍という大きな遺伝子発現がみられた。本制御剤は、がん細胞特異的な遺伝子制御剤として、正常細胞での副作用を大きく抑制できる新規な治療デバイスとなることが期待される。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Gene carrier showing all-or-none response to cancer cell signaling2012

    • 著者名/発表者名
      Riki Toita
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc.

      巻: 134 ページ: 15410-15417

    • DOI

      10.1021/ja305437n

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Improvement in the colloidal stability of protein kinase-responsive polyplexes by PEG modification2012

    • 著者名/発表者名
      Akira Tuchiya
    • 雑誌名

      J. Biomed. Mater. Res. Part A

      巻: 100 ページ: 1136-1141

    • 査読あり
  • [学会発表] Novel Cell Signal-responsive Polyplexes for Improved Colloidal Stability and Cell Specificity in Gene Delivery2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshiki Katayama
    • 学会等名
      The 1st International Symposium on Application of Biomolecular Devices for Sustainable Functional Materials
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2012-10-19 – 2012-10-19
    • 招待講演
  • [学会発表] 診断・創薬のための新しい細胞シグナルセンシング2012

    • 著者名/発表者名
      片山佳樹
    • 学会等名
      日本分析化学会第61年会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2012-09-19 – 2012-09-21
    • 招待講演
  • [学会発表] Cellular signal-responsive molecular system for disease cell-specific gene delivery and imaging.2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshiki Katayama
    • 学会等名
      The 2nd International Symposium of Materials on Regenerative Medicine
    • 発表場所
      Taipei Medical University
    • 年月日
      2012-08-28 – 2012-08-31
    • 招待講演
  • [学会発表] Protease imaging system by using polyion-complex and its application to prostate cancer2012

    • 著者名/発表者名
      Shujuro Shisaki, Masanori Kuramoto, Takeshi Mori, Takuro Niidome, Yoshiki Katayama
    • 学会等名
      39th Annual Meeting Exposition of the Controlled Release Society
    • 発表場所
      The Centre des Congres de Quebec City
    • 年月日
      2012-07-15 – 2012-07-19
  • [学会発表] 標的細胞内シグナルを検知し細胞を識別する遺伝子キャリヤー2012

    • 著者名/発表者名
      片山佳樹
    • 学会等名
      第28回日本DDS学会学術集会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2012-07-04 – 2012-07-05
    • 招待講演

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公開日: 2018-02-02  

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