研究概要 |
本研究の目的は神経細胞の計測データから入力を推定するための状態空間解析法を確立することである,これは我々がこれまで培ってきたスパイク時系列分析のための状態空間解析(Shimokawa and Shinomoto,Neural. Computation, 2009)を発展させることにより可能となるが,今年度はまず単一ニューロンの膜電位の計測データから時間変動する興奮性入力と抑制性入力を推定する手法を確立した(Kobayashi,Shinomoto,and Lansky,Neural Computation,Neural Computation, 2011).この方法をさらに神経内部イオンチャンネルのパラメータの変動をとらえる方法へと改良を施した.また神経細胞の発火推定において最良のパフォーマンスを示したMAT modelにvoltage dependencyを導入し,Izhikevichの20種の発火パターンを再現することに成功した(Yamauchi, Kim, and Shinomoto Frontiers in Computational Neuroscience, 2011).ベイズ統計の手法を用いて,待ち時間タスクを行っているサルの神経信号から,サルが行動をとるタイミングを予測することが出来るようになった(Shinomoto et al.,Frontiers in Computational Neuroscience, 2011).
|