有性生殖を行う多くの動物にとって配偶者選択は重要な問題です。オスは、メスに気に入られるために、あらゆる感覚を駆使して情報収集を行い、アプローチを調整します。 モデル動物のひとつであるショウジョウバエでは、その豊富な遺伝ツールを用いた研究により、オスが嗅覚を使って相手のフェロモンを識別し、求愛を開始するかどうかの行動決定を行う事が分かってきましたが(江島2009)、求愛開始後のパフォーマンスの「質」がどのように維持・制御されているのかという点についてはほとんど注目されてきませんでした。 本研究では、オスが、匂いによってその時々のメスの性的受容性を感知し、それに応じて求愛歌のパターンを変化させる事を見いだしました。また、この柔軟なオスの求愛アプローチが、メスの最終判断に重要な役割を果たす事が明らかになりました(Trott et al. 2012)。
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