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2011 年度 実績報告書

液性免疫を調節する脂質メディエーターの探索

公募研究

研究領域生命応答を制御する脂質マシナリー
研究課題/領域番号 23116502
研究機関秋田大学

研究代表者

石井 聡  秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10300815)

キーワードGタンパク質共役型受容体
研究概要

本年度はリガンドが未同定の受容体(オーファン受容体)であるEpstein-Barr virus induced molecule-2(EBI2)の内在性脂質リガンドの同定を試みた。まず、アッセイツールとして、CHO細胞とRH7777細胞にヒトEBI2を高いレベルで安定発現させた株を樹立した。生体内におけるEBI2の発現は、リンパ球や骨髄、脾臓、リンパ節などのリンパ組織に際立っていることから、リガンドも同様の分布をしていると予想し、マウスのリンパ節から脂質を抽出した。具体的には、リンパ節(約200mg)から脂質をブタノールで抽出して、これをDEAEセルロースカラムで6つに分画した(1.素通り画分、2.コレステロールやトリアシルグリセロールなどの中性脂質、3.ホスファチジルコリン+ホスファチジルエタノールアミン、4.その他リン脂質+リゾリン脂質、5.酸性リゾリン脂質、6.ホスホイノシタイド、を主に含む各画分)。ODSカラムで精製後に有機溶媒を除いてから、10倍ずつ異なる4種類の濃度で緩衝液に溶解した。この分画方法とは別に、同じくリンパ節から脂質をメタノールで抽出し、ODSカラムで中性脂質画分と酸化脂肪酸画分を得る方法も行った。こちらは有機溶媒を除いてから、10倍異なる2種類の濃度で緩衝液に溶解した。以上得られた脂質画分のそれぞれをEBI2発現細胞に作用させ、cAMP産生量の変化を指標に受容体の活性化を調べた。しかしながら、脂質分画の中にEBI2リガンドが存在することを伺わせる再現性のあるデータは、現在までのところ得られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2011年7月に7α,25-ジヒドロキシコレステロールがEBI2の脂質リガンドとして他の研究グループから論文発表された(Hannedouche S.et al.Nature.2011;475:524-527とLiu C.et al.Nature.2011;475:519-523)。我々の手でも追試して報告内容を確認できたので、間違いではないと思われる。

今後の研究の推進方策

上記の理由から、今後はEBI2とは別の受容体に着目して、ノックアウトマウスの表現型を基にして液性免疫への脂質メディエーターの関与を探ることにする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Orally active lysophosphatidic acid receptor antagonist attenuates pancreatic cancer invasion and metastasis in vivo2012

    • 著者名/発表者名
      Komachi, M., Sato, K., Tobo, M., Mogi, C, Yamada, T., Ohta, H., Tomura, H., Kimura, T., Im, D.S., Yanagida, K., Ishii, S., Takeyoshi, I., Okajima F.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: (印刷中)

    • DOI

      doi:10.1111/j.1349-7006.2012.02246.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Non-Edg family LPA receptors : the cutting edge of LPA research2011

    • 著者名/発表者名
      Yanagida, K., Ishii, S.
    • 雑誌名

      J.Biochem.

      巻: 150 ページ: 223-232

    • DOI

      doi:10.1093/jb/mvr087

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 脂肪酸摂取と呼吸器疾患2011

    • 著者名/発表者名
      石井聡
    • 雑誌名

      呼吸と循環

      巻: 59 ページ: 773-781

  • [学会発表] 脂質メディエーターの多彩な機能2011

    • 著者名/発表者名
      石井聡、清水孝雄
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2011-09-23
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.akita-u.ac.jp/~bougyo/Home.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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