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2011 年度 実績報告書

アダプター分子の翻訳後修飾とその異常による疾患の解明

公募研究

研究領域翻訳後修飾によるシグナル伝達制御の分子基盤と疾患発症におけるその破綻
研究課題/領域番号 23117511
研究機関東京大学

研究代表者

山梨 裕司  東京大学, 医科学研究所, 教授 (40202387)

キーワードアダプター / シグナル伝達 / 疾患
研究概要

代表者らは多様なシグナル系でリン酸化修飾を受けるアダプター分子としてDok-1を発見し、さらに、Dokファミリー分子の機能不全が発癌や自己免疫疾患等の原因となることを解明してきた。しかしながら、Dokファミリー分子の翻訳後修飾や、そのシグナル制御機構には未解明の部分が多い。そこで、本研究ではヒト癌やヒトの遺伝性疾患との関係が明らかなDok分子を介した細胞内シグナル伝達系を対象に、Dok、並びにその関連分子の翻訳後修飾の実体の解明や会合分子の同定を起点とするシグナル経路の解明とその作用機構の統合的な理解を目指す。さらに、その知見を基盤として発癌等の疾患におけるDok、並びにDok関連分子の修飾異常シグナルの解明を目指す。
本年度の研究においては、造血系に高発現するシグナル抑制性のDok分子の機能に関する解析が先行し、それらが発癌の抑制だけではなく、破骨細胞機能の制御や多様な臓器における炎症応答の抑制にも重要であることを示唆する解析結果を得た。他方、シグナル促進性のDok分子に関する研究の過程においては、当該Dok分子に必須の関連シグナル分子の糖鎖修飾の重要性を示唆する解析結果を得た。この分子は個体の発生と運動機能の発現に必須の蛋白質として知られていることから、本研究の新たな課題として、その生理機能における糖鎖修飾の意義の解明を進める必要が生じた。さらに、Dok分子自体の翻訳後修飾については、そのリン酸化修飾の重要性を示唆する解析結果を得ているが、その具体的な分子機構については不明な点が多く、会合分子等の探索・解析を中心に、さらなる研究の加速を図らねばならない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Dok分子に関する新たな機能や、その関連因子における糖鎖修飾の重要性に関する知見を得たことが当初の計画の枠を越えた進展であるため。

今後の研究の推進方策

本研究において新たにその重要性が提起されたDok分子の機能やDok関連分子の糖鎖修飾等に関する解析を新たな課題として取込みつつ、Dok分子自体のリン酸化修飾が司るシグナル伝達機構の分子メカニズムの解明を中心的な課題として推進する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The transcription factor Sp1 plays a crucial role in dok-7 gene expression2011

    • 著者名/発表者名
      Hamuro J, Hishida Y, Higuchi O, Yamanashi Y
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun.

      巻: 408 ページ: 293-299

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dok-1 and Dok-2 deficiency induces osteopenia via activation of osteoclasts2011

    • 著者名/発表者名
      Kawamata J, Inoue A, Miyajima D, Hemmi H, Mashima R, Hayata T, Exura Y, Amagasa T, Yamanashi Y, Noda M
    • 雑誌名

      J.Cell.Physiol.

      巻: 226 ページ: 3087-3093

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/genetics/html/home.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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