研究領域 | 翻訳後修飾によるシグナル伝達制御の分子基盤と疾患発症におけるその破綻 |
研究課題/領域番号 |
23117524
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
澤崎 達也 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 准教授 (50314969)
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キーワード | E3リガーゼ / 無細胞タンパク質合成 / がん抑制タンパク質 / ユビキチン化 / RING / プロテインアレイ / コムギ胚芽 / p53 |
研究概要 |
I. ビオチン化RING-type E3リガーゼプロテインアレイの作製 既に完成している152種類のRING-type E3リガーゼに加えて、申請者らが既に保有している1万5千種類のヒト完全長cDNAライブラリーを用いて、予測された約200種類のRING-type E3リガーゼ遺伝子のcDNAクローンを選択した。それらcDNAクローンから、スプリットPCR法により転写・翻訳用の鋳型を作製し、N末端にビオチン化した組換えプロテインアレイを合成し、現在、224種類のRING-type E3リガーゼプロテインアレイを構築することに成功し、超低温フリーザーに保存している。 II. アルファスクリーン法によるがん化抑制因子および促進因子と結合するE3リガーゼ分子の同定 上記で作成したビオチン化E3リガーゼプロテインアレイを、コムギ無細胞系で合成したFlagタグをN末端に付加した4種類のがん促進蛋白質(p53、LKB1、CYLD、PTEN)と結合するE3リガーゼのスクリーニングを行った。相互作用の検出方法には、アルファスクリーン法を利用した。その結果、それぞれのがん抑制蛋白質と相互作用するE3リガーゼを2~3種類同定することに成功した。また、その一部に関しては、in vitroでのE3リガーゼ依存的なユビキチン化が起こることを明らかとした。この事は、本スクリーニングシステムが基質特異的なE3リガーゼの探索・同定に有効であることを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおりにプロテインアレイの構築に成功し、それらを用いたがん抑制蛋白質を特異的にユビキチン化するE3リガーゼの同定に成功しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新たに同定したE3リガーゼの細胞内でのユビキチン化の確認を行う。
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