研究領域 | 翻訳後修飾によるシグナル伝達制御の分子基盤と疾患発症におけるその破綻 |
研究課題/領域番号 |
23117528
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
石戸 聡 独立行政法人理化学研究所, 感染免疫応答研究チーム, チームリーダー (10273781)
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キーワード | ユビキチン / エンドサイトーシス / 膜タンパク質 |
研究概要 |
本繰越においてユビキチン化依存的に結合する分子群の同定と、機能解析を行った。T-RExシステムにてユビキチン化された基質を含む複合体を精製し、ユビキチン化によって複合体を形成する分子の同定を行った。興味ある分子として、UIM(ubiquitin-interacting motif)、あるいはUBA(ubiquitin-associated domain)を持つ分子を見出した。その中で、C末端にUIMをタンデムに持ち、N末端にAnkyrin繰り返し領域(ankyrin rep eatdomain(ARD))を持つAnkrd13Aに注目し解析を行った。さらに、Ankrdl3はA、B、C、Dと4つのファミリーメンバーからなることがデーターベースの解析から明らかとなった。Ankrd13Aのユビキチン化による膜タンパク輸送への関与をAnkrd13Aの機能変異体を過剰発現させる事により検討した。UIMを欠損、あるいはARDを欠損させてAnkrd13Aを過剰発現させるとEGFレセプターのエンドサイトーシスが顕著に抑制された。しかしながら、Ankrd13AをsiRNAにてknock downした場合では、顕著なEGFレセプターの抑制は認められなかった。さらに、Ankrd13AのUIMがK63リンクのポリユビキチン鎖と強く結合する事が明らかとなった。このように、Ankrd13AはK63リンクのユビキチン鎖を認識し膜タンパク質のエンドサイトーシスを誘導すると考えられた。Ankrd13AのsiRNAにてEGFレセプターの抑制が解除されなかった理由として、Ankrd13A以外のファミリーメンバーが残存している可能性が挙げられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ユビキチン化依存的に結合するAnkrd13を見出し、その関与の可能性を示した。さらに、この結果を論文に発表する事が出来た事を考えると概ね順調であったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
Ankrd13Aとエンドサイトーシスに関与する分子群の関連を明らかにし、Ankrd13の疾患との関連を探索する。
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