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2011 年度 実績報告書

酸化ストレスにおけるプロテアソームの動態制御機構についての解析

公募研究

研究領域活性酸素のシグナル伝達機能
研究課題/領域番号 23117706
研究機関東京大学

研究代表者

濱崎 純  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (80533588)

キーワードプロテアソーム / 酸化ストレス / ユビキチン
研究概要

プロテアソームは、真核細胞に必須のタンパク質分解酵素であり、その重要性は広く知られている。老化やがんは酸化ストレスとの密接な関連が既に知られている一方、我々のこれまでの研究から、我々はプロテアソームの機能異常が未知のシグナルを介して酸化ストレス応答を惹起させると同時に、プロテアソーム活性や核局在の変化、ひいては核形態異常を引き起こすことが、がんや老化の病態の主要な要因のひとつとなっているではないかと推測した。そこで、プロテアソームの動態(機能制御、局在)と酸化ストレスとの間を結ぶ分子機構を明らかにし、がん、老化などの病態の理解に新たな視点を提供することを目的とした。
まず、酸化還元制御とプロテアソームをリンクさせる分子の同定を目指し、プロテアソーム関連遺伝子(PI31など)ノックダウン系統ショウジョウバエをスターターとして構築し、網羅的なRNAi系統との交配を現在進行中であり、いくつかの遺伝子を候補遺伝子として同定した。さらに探索を進めるために、遺伝子領域欠損系統との交配によるスクリーニングを現在行なっている。
また、ヒト培養細胞における酸化ストレス条件下でプロテアソームが部分的に解離することを見出し、ストレス除去後に再会合することも発見した。さらにこの機構に深く関与する因子を同定し、現在その機能を詳細に解析中である。
また、プロテアソーム機能減弱マウスなどで酸化ストレス応答が共通して起きている事を確認した。現在この分子メカニズムの解明に向けた細胞・個体を用いた解析を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していたAIFにおける解析は難航したが、その過程で新たに発見したプロテアソーム関連遺伝子としてPI31について解析を行なうことで、思いがけないプロテアソームの機能調節機構に迫っている。また、プロテアソームの解離機構についても新知見を得ていることから、順調な進展と言える。

今後の研究の推進方策

酸化ストレス時のプロテアソーム解離・再会合機構について生化学的解析により詳細を明らかにする。また、この機構に深く関与することを発見した因子についても解析を行ない、遺伝学的解析を並行して行なうことで個体における重要性や生物学的意義を明らかにするとともに新たな因子の探索を続ける。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A mutation in the immunoproteasome subunit PSMB8 causes autoinflammation and lipodystrophy in humans2011

    • 著者名/発表者名
      Kitamura A
    • 雑誌名

      J Clin Invest

      巻: 121 ページ: 4150-60

    • 査読あり
  • [学会発表] The testis-specific proteasome and its role in spermatogenesis2011

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Uechi
    • 学会等名
      EMBO Conference
    • 発表場所
      ドブロヴニク、クロアチア
    • 年月日
      20110921-20110925

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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