公募研究
(1)組織特異的32ノックアウトマウスの作製現在組織特異的ノックアウトマウス(β細胞、心筋、血管内皮、神経)を作成中である。β細胞および神経細胞特異的ノックアウトマウスではホモのマウスが生まれた。心筋、血管内皮に関しては、まだ新生児のゲノム解析を継続している段階で、ホモのノックアウトマウスの誕生は確認されていない。(2)MEF細胞株を用いたミトコンドリア呼吸機能解析p32ノックアウトMEF細胞株を樹立した。p32ノックアウトMEF細胞株では細胞内活性酸素の産生がコントロールに比べ2倍ほどに増強していた。ミトコンドリアDNAでコードされるサブユニットを含む電子伝達系の複合体I,III,IVの活性が激減しており、活性酸素の増加もそれに起因すると思われる。電子伝達系野活性低下の原因はミトコンドリア内における翻訳が強く低下していることであることが明らかになった。翻訳低下はミトコンドリアリボソームの形成低下が原因であり、p32はミトコンドリアリボソームの安定的形成に重要な因子であることを明らかにした。(3)MEF細胞株を用いたサイトカイン発現解析p32ノックアウトMEF細胞を用いて、各種炎症性サイトカインならびにインターフェロンのmRNA量をRT-PCR法で定量し、いくつかの因子で産生増加を認めている。現在、その増加に(1)活性酸素が寄与しているのか、(2)産生刺激から転写までのどのシグナル伝達経路のどの段階に責任があるのかを一つ一つ転写の下流からチェックしている所である。
2: おおむね順調に進展している
計画していた実験はほぼ年度内に実施しており、一定の結論を出すことが出来ている。
組織特異的ノックアウトが少なくとも2種類はホモのノックアウトマウスが誕生しているため、全身性のノックアウトでは出来なかった個体レベルでの実験が可能になっている。残りの2種について、ホモのノックアウトマウスが胎生致死であった場合の実験計画がまだ確定していない。現在生まれるマウスが増加しているため、実験従事者の不足が懸念されており、残りの2種が胎生致死の場合は、その2種の実験継続をとりあえず放棄することも対応として考えている。
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