研究領域 | 多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
23118504
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 智 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50271896)
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キーワード | 造血幹細胞 / 転写因子 / MafB / マクロファージ / M1/M2 |
研究概要 |
今年度は、既に作製されているMafB領域GFPノックインマウスを用いて、以下の研究を実施した。 1.MafB領域GFPノックインマウスのGFP発現造血幹細胞のin vitroにおける機能解析 MafB領域GFPノックインマウスにおいてGFPを発現している造血幹細胞が、単球・マクロファージ細胞系列への選択的な分化能を有しているかを解析した。その結果、GFPを発現している細胞はM-CSFに反応して、単球・マクロファージ細胞系列へより分化することが明らかとなった 2.MafB領域GFPノックインマウスのGFP発現造血幹細胞のin vivoにおける機能解析 MafB領域GFPノックインマウスにおけるGFP陽性造血幹細胞群が、生体内で単球・マクロファージ系列への選択的分化能力を有しているかを、骨髄移植により明らかにする実験を行った。当初少数の細胞による骨髄移植が成功しなかったが、条件を検討した結果、移植細胞の生着が確認できる様になった。 3.MafB領域GFPノックインマウスのGFP発現造血幹細胞の遺伝子発現状態の機能解析 GFP陽性細胞群とGFP陰性細胞群での遺伝子発現様式を比較することにより、細胞運命決定に関わる内部因子の状態を解析した。その結果、MafBの発現は、GFP陽性細胞で高いこと、いくつかの幹細胞マーカーが発現していることが明らかとなった。 4.MafB領域GFPノックインマウスのGFP発現造血幹細胞の細胞表面抗原の解析 GFP発現造血幹細胞上に存在していると分子を解析した。いくつかの幹細胞マーカーが発現していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目的とした実験は実施でき、ある程度の新知見を得ることができた。骨髄移植系の確立では当初問題賀あったが現在は、ほぼ解決できている。
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今後の研究の推進方策 |
上述した様に、当初骨髄移植系において移植した細胞の生着が確認できないことがあったが、移植系を改善することにより、結果が得られる様になった。来年度は改善した実験系を用いて解析を進める予定である。
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