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2012 年度 実績報告書

造血幹細胞の分化様式の解析

公募研究

研究領域多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明
研究課題/領域番号 23118505
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

依馬 秀夫  慶應義塾大学, 医学部, 特任准教授 (50344445)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード血液内科学 / 造血幹細胞 / 分化 / 非対称分裂 / コミットメント
研究実績の概要

造血幹細胞がどのようにして各細胞系譜へコミットするのか不明であった。造血幹細胞の運命の選択機序を解明するためにはクローナルな解析が欠かせない。申請者らはSingle-cell transplanation実験とPaired daughter cell実験(1個の造血幹細胞を培養し1回分裂させ2個の娘細胞を得た後、それぞれの娘細胞を別々のマウスに移植する実験)によってこの問題に挑戦した。従来、ドナーマーカーとしてLy5.1が用いられてきたが、Ly5.1は赤血球と血小板には発現しておらず、これらの細胞系譜の解析ができていなかった。そこで、蛍光色素のKusabira Orange (KuO)を発現したトランスジェニックマウスを作成し、このマウスから分離した造血幹細胞を移植実験に用いることにより、KuOをドナーマーカーとして顆粒球、単球、Bリンパ球、Tリンパ球系のみならず、赤血球、血小板系までも解析することができた。その結果、1個の造血幹細胞によって最初に再構築されるのは血小板であることが判明した。Single-cell cultureによって約10%の造血幹細胞集団が巨核球コロニーを形成し、Single-cell transplantationによって約10%の細胞が巨核球系再構築細胞(rMkP)として検出された。これらの結果は造血幹細胞とrMkPはごく近縁関係にあることを示唆した。そこで、Paired daughter cell実験を行ったところ、2個の娘細胞のうち一方が造血幹細胞で他方がrMkPや骨髄系共通前駆細胞として検出された。以上より、造血幹細胞が非対称性分裂を介して骨髄球系へ直接的に分化する経路(Myeloid bypass)が想定された。そして、造血幹細胞は分化過程において骨髄球系を優先して産生し、その後リンパ球系を産生するという新しい血球分化モデルを提唱した。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Two anatomically distinct niches regulate stem cell activity2012

    • 著者名/発表者名
      Hideo Ema
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 120 ページ: 2174-2181

    • DOI

      doi:10.1182/blood-2012-04-424507

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Homeostasis of hematopoietic stem cells regulated by the myeloproliferative disease associated-gene product Lnk/Sh2b3 via Bcl-xL2012

    • 著者名/発表者名
      Nao Suzuki
    • 雑誌名

      Exp Hematol

      巻: 40 ページ: 166-174

    • DOI

      doi:10.1016/j.exphem.2011.11.003

    • 査読あり
  • [図書] 造血幹細胞 再生医学叢書1「幹細胞」2012

    • 著者名/発表者名
      依馬秀夫
    • 総ページ数
      70-88
    • 出版者
      朝倉書店
  • [備考] 慶應義塾大学医学部発生分化生物学

    • URL

      http://www.celldiff.med.keio.ac.jp/

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公開日: 2018-02-02  

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