公募研究
ポジキン細胞(HRS細胞)がB細胞由来であるにもかかわらず、B細胞抗原を表出せずT細胞抗原や骨髄細胞抗原を表出するかについては、EBV感染か、炎症性細胞との細胞間相互作用によってリプログラミングが起こっていると考えられている。よってEBV由来miRNAからHRS細胞のリプログラミングを解析することを本研究の目的とした。そこで、まずEBV陽性ホジキンリンパ腫細胞の入手を試みた。これまでのところL591細胞一種類のみがEBV陽性ポジキンリンパ腫細胞として報告されている。幸運にも子の細胞株入手することが、できたので、細胞、および、リプログラミングを起こしていないB細胞形質をしていいる、リンパ芽急性細胞(LCL)、バーキットリンパ腫由来細胞株(Daudi、Akata)などに対して、EBVコード約microRNA30種類について、発現パターンを、リアルタイムPCRを用いて、解析を行った。その結果、L591に特異的な発現パターンを示すEBV由来miRNAを複数個同定した。また、炎症細胞とホジキンリンパ腫細胞との分泌性miRNAを介したニッチ形成もこのリプログラミングの形成になんらかの機能を持つと考え、ヒト検体を用いたISH,分泌性miRNAの機能解析を行った。それと並行し、以前MLL-AF4急性リンパ性白血病において、B細胞骨髄細胞共通前駆細胞由来と思われる白血病細胞をB細胞に分化させることが明らかになったmiR-126のホジキンリンパ腫における機能解析を行った。その結果、ある一定条件下においてはmiR-126はホジキンリンパ腫細胞における骨髄球由来抗原CD15の発現を抑える働きがあることが明らかになったが劇的なものではなかった。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定とは少し異なるが、腫瘍ニッチにおける分泌性miRNAの機能解析のシステム構築、およびヒト検体での検出に成功し、研究の大きな進展が認められた。
分泌性miRNAの腫瘍ニッチにおける機能と内因性miRNAのリプログラミングでの機能を同時に検討していく。
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BLOOD
巻: 119(13) ページ: 3123-7
doi:10.1182/blood-2011-01-327932
Advances in Cancer Research
巻: 113 ページ: 1-44
http://www.u-tokai.ac.jp/tuiist/tt/announcement_koutani.html