研究領域 | 多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
23118517
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
片山 義雄 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80397885)
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キーワード | 骨細胞 / リンパ球相血 / 造血微小環境 / 神経 |
研究概要 |
平成23年度には、骨組織内主要細胞成分である骨細胞がリンパ球造血に影響を与えている可能性について検証した。骨細胞特異的にジフテリア毒受容体を発現させたマウス(DMP1-DTR Tg)に15週齢でジフテリア毒を投与し骨細胞を死滅させた後、3週間後に骨髄B細胞、胸腺T細胞の数を確認したところ、いずれも著明な低下を来していることを確認した。造血幹細胞や骨髄球系細胞には数や機能の異常がみられず、これらの変化がリンパ球特異的であることを確認した。正常マウスとDMP1-DTR-Tgマウスをparabiosisにより血流を交流させ、骨細胞除去後も血流にのって正常リンパ球前駆細胞や液性因子が供給される状況でも、骨細胞除去マウス側の胸腺は同様の萎縮を示し、これが血球側の問題ではなく、リンパ球造血微小環境側の異常であることが示唆された。Bリンパ系骨髄長期培養システムを詳細に検討したところ、骨細胞除去マウス骨髄からはB細胞が産生されず、これが造血支持細胞の欠落に起因することが示された。これら、骨細胞除去に起因するリンパ球特異的造血支持細胞の異常は、更に約3ヶ月ののちには、骨細胞の再生とともにほぼ正常にまで回復した。これらの結果から、当初研究計画調書に記載した球心性神経シグナルの関与が強く示唆され、現在これが神経系を介した骨細胞からのシグナルの異常に基づくものであることを各種神経ブロックにより検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記した平成23年度の研究をほぼ計画通りに進めている。骨細胞とリンパ球造血の関係は、本研究全体においても最も重要な知見であり、研究結果も含めおおむね順調に進展している。既知の老化マウスモデルの解析については次年度行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現在までに得られた知見と神経系、特に研究計画調書に記載している脳視床下部からのシグナルとの関係を追求していく。
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