研究領域 | 多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
23118520
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松本 満 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 教授 (60221595)
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キーワード | 自己寛容 / 胸腺 / AIRE |
研究概要 |
Aire発現細胞の系譜を解析できるfate-mappingの実験系め構築を進めたところ、意外にもAireが初期胚にも発現していることを見出した。すなわち、Aireは発隼初期と胸腺髄質上皮細胞という二相性発現を示すことが明らかになった。そこで、Cre recombinaseに代わりCre recombinaseとヒトエストロゲン受容体リガンド結合領域の変異体との融合タンパク質(Cre-ER)を挿入したノックインマウスを作製した。Cre-ERは内在性めエストラジオールでは核内移行せず、合成エストロゲン製剤である4-水酸化タモキシフェン(tamoxifen)の投与によって核内移行しCre recombinase活性を発揮する。そのため、Aire/Cre-ERノックインマウスをGFPレポーターマウスと交配後の成体マウスにタモキシフェンを投与することでAire発現胸腺髄質上皮細胞を特異的に可視化できる。タモキシフェン投与後に異なるタイミングでGFP陽性細胞を検出することによって、Aire発現胸腺髄質上皮細胞が胸腺内に存在する時間を計測することが可能である。実際にこの実験系を用いてAire発現胸腺髄質上皮細胞のAire発現以降の胸腺内滞在時間を測定したところ、約10日間であることが判明した。さらに、この実験をAire欠損状態(Aire欠損マウスとの交配によって樹立)で行うことによって、Aire欠損にともなうAire発現胸腺髄質上皮細胞の動態変化を調べる実験にも着手している。このようなイメージング解析の結果をもとに、Aireを発現した後、Aire発現胸腺髄質上皮細胞がただちに死滅するか、あるいはAire発現が停止した時期を経て最終的に胸腺から消え去るのかを調べ、Aireにproapoptotic活性があるか否かを検証したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Aire/Cre-ERノックインマウスも計画通りに樹立することができ、時期特異的fate-mappingの実験系も順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
時期特異的fate-mappingマウスをAire欠損マウスと交配し、Aire欠損状態で行う実験も併行して開始している。複数の遺伝子導入マウスの複雑な交雑になるので、効率良くマウスを維持・管理する必要がある。
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