研究領域 | 多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
23118521
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安友 康二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30333511)
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キーワード | クロマチン / CHD / 細胞運命決定 |
研究概要 |
クロマチンの構造の変化が、細胞の運命決定およびその後の系譜の維持を制御していると考えられるが、各種細胞におけるクロマチン構造の維持機構は明らかではない。本研究では、クロマチンの構造を制御しているCHD分子が免疫系の細胞の運命決定にどのように寄与しているかを明らかにするためにCHD1とCHD3の遺伝子欠損マウスを樹立し、その役割を個体レベルで解析する事を目的とした。完全に遺伝子を欠損させると胎生致死になることが懸念されたため、部位特異的に遺伝子を欠損できるシステムを用いた。CHD1欠損マウスについては遺伝子欠損マウスの樹立に成功し、そのマウスをCD4-creトランスジェニックマウスと交配し、Tリンパ球分化、およびTリンパ球の分化における役割について解析をすすめるためのマウスを樹立した。来年度には、解析数を増やして、CHD1がどのようにTリンパ球分化および機能に影響を与えているかを明らかにする予定である。また、CD4-Creトランスジェニックマウスでは、より未熟なTリンパ球の分化は解析できないので、それを克服するために、lck-CreあるいはTie2-Creトランスジェニックマウスとの交配も実施中である。さらに、CHD1はTリンパ球だげではなくBリンパ球や樹状細胞にも発現が観察されていることから、それらの細胞でCHD1を欠損させた研究も来年度は予定している。CHD3欠損マウスについては、現在変異ES細胞の樹立を実施中である。来年度には、CHD3マウスと各種Creトランスジェニックマウスを交配して、解析を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CHD1の欠損マウスの樹立に成功し、その解析ができる準備が整った。また、CHD3欠損マウスについても樹立の目処がたち、来年度には樹立することができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
CHD1およびCHD3欠損マウスを各種のCreトランスジェニックマウスと交配して、個体レベルでそれらの遺伝子の役割を解明する事に注力する。研究は予定通りに進行しており、研究計画を変更する予定はない。
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