研究領域 | 水を主役としたATPエネルギー変換 |
研究課題/領域番号 |
23118711
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横田 浩章 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 講師 (90415547)
|
キーワード | 1分子計測 / ナノバイオ / 核酸 / 酵素反応 |
研究概要 |
DNA複製・修復・組み換えは、種の遺伝的連続性を保証する最も重要な機構である。現時点では、さまざまなタンパク質分子が実際にどのように相互作用しつつ、非常に複雑な反応を速やかに、そして絶妙な精度で触媒するのかについてのダイナミクスはわかっていない。ましてや、それらのタンパク質がエネルギー源であるATPをどのように結合・解離し、その加水分解エネルギーを化学力学変換して、DNAと相互作用し機能を発揮しているのかについての詳細はわかっていない。このATPの加水分解エネルギーの化学力学変換機構の理解のためには、直接ATPとタンパク質が相互作用している現場を可視化することが鍵となる。そこで本研究では、1分子蛍光イメージング観察系の改良を通して、DNA結合タンパク質のATPの結合・解離状態を高濃度ATP条件下で1分子可視化できる系を構築し、その化学力学変換機構に迫ることを目的とした。 平成23年度は、本研究の基盤となるATPとDNA結合タンパク質の蛍光標識、DNA基質の設計と作製、1分子蛍光イメージング観察系の改良を行いながら、本領域公募研究(H21~H22年度)にて開発したゼロモード導波路(ナノ開口アレイ)を用い、ATPase1分子イメージングの最適条件の探索し、ナノ開口に固定したヘリカーゼ1分子のATPaseに起因するATP1分子の結合・解離のダイナミクスをイメージングし、その結合・解離速度定数を得ることに成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで製作してきたゼロモード導波路(ナノ開口アレイ)を用い、ATPase1分子イメージングの最適条件を探索しながら、ヘリカーゼ1分子のATPaseに起因するATP1分子の結合・解離のダイナミクスをイメージングすることができており、その化学力学変換機構の詳細に迫る系が構築できているため。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで行ってきたATPとDNA結合タンパク質の蛍光標識、DNA基質の設計と作製、ATPase1分子イメージングの最適条件め決定を継続しながら、ヘリカーゼのATP結合・解離の蛍光1分子イメージングを行い。ATPaseとDNA巻き戻し活性の関係などに迫る。
|