公募研究
ストレスによる成長抑制に寄与している可能性があるR1R2R3型Myb転写因子とAPC/Cユビキチンリガーゼの阻害因子GIG1について研究を行った。R1R2R3-MybはG2/M期遺伝子群の転写制御に関わっており、転写活性化因子として働くグループ(活性化型Myb)と抑制因子として働くMyb(抑制型Myb)が存在する。平成24年度はタバコを使った実験から、R1R2R3-Mybには細胞分裂に対する働きだけではなく、新たに細胞のサイズにも重要な働きがあり、茎の伸長を促進し、結果的に草丈に大きな影響を与えることを示した。R1R2R3-Mybには、G2/M期を制御する働きの他に、ストレス抵抗性に直接関わる遺伝子を制御する可能性が指摘されている。平成24年度はCaMV35Sプロモーターの支配下でMYB3R3(抑制型Myb)やMYB3R4(活性化型Myb)を過剰発現するシロイヌズナ形質転換体を用いて、ストレス抵抗性のテストを行ったが、Mybの過剰発現による効果は見出されなかった。一方で、MYB3R3を自身のプロモーターによる発現する形質転換体では、塩ストレス下において著しい成長抑制を示すことがわかった。これらの結果からMYB3R3は塩ストレス下で抵抗性の獲得に関わっているというよりは、むしろストレスによる成長抑制に寄与している可能性が示された。昨年度、同定したAPC/Cユビキチンリガーゼの阻害因子GIG1についての研究から、GIG1と構造のよく似たUVI4は、異なるタイプのAPC/C活性化因子を阻害することにより、異なるM期サイクリンに作用し、それぞれエンドマイトーシスとエンドリプリケーションと呼ばれるプロイディの増加現象を抑制的に制御している可能性を示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant Biotechnology
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10.5511/plantbiotechnology.12.1004a
Plant Signal. Behav.
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http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~bunka/ito_title%20page.html