公募研究
本研究では，表情においても「動き」が本質的な特性であることに着目し，自己顔認知が表情の動的特性と切り離せない関係があることから，自己顔の動的表情に係る認知基盤を明らかにするとともに，これらの基礎的な知見を化粧法・人支援技術に応用するための研究を行い，全ての人の対人コミュニケーション向上のため動的表情の自己顔認知・認識に関わる研究を推進した．ここでは， (1)顔表面の動態解析と生体電位信号計測，(2) 自己顔認知の神経基盤の理解，(3) 顔の操作と表出支援，(4) 動的表情の認識の４項目の研究を相互に連携させながら研究を推進した．(1)顔面の詳細な形態，３次元カメラを利用した実時間での表情形状変化計測に基づき，「デジタルフェイス」として形態変化の３次元的物理特性を詳細に記述するシステムを構築した．(2)素顔及び化粧顔を対象とし，脳機能画像解析実験を継続し，動的表情の自己顔認知における神経基盤を明らかにするための実験を行い，化粧時における表情表出に関する物理・生理特性について一定の知見を得た．(3) 表情表出支援装置による人工的な表情表出に関する臨床研究を実施し，表情表出を的確に支援するための方法論を深化させた．(4) 顔面の動態解析と電気生理学データに加え，表情の認知強度評価を含め，顔側における生体電位信号の計測に基づく表情表出の推定技術の高度化を実現した．以上の通り，笑顔を中心とした動的表情に関する自己顔認知・認識の基礎研究が大きく進展するとともに，人支援技術と認知神経科学的な化粧法の開拓という応用研究へ展開が広がった．これらの成果に基づき，自身の意思に基づき表情を表出するといった，自己肯定と笑顔を取り戻すための心理社会的な人支援の実現を目指したい．
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Prof. of IEEE RAS/EMBS International Conference on Biomedical Robotics and Biomechatronics
巻: - ページ: 1549-1554
10.1109/BioRob.2012.6290781
Advanced Robotics
巻: Vol. 26, No. 10 ページ: 1143-1159
10.1080/01691864.2012.686349
Proc. of 3rd Int. Conf. on Emerging Security Technologies
巻: - ページ: 178-181
10.1109/EST.2012.38
http://www.ai.iit.tsukuba.ac.jp/research/031-j.html
