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2012 年度 実績報告書

成人期のアスペルガー障害の表情模倣に関わる神経基盤の解明とその可塑性の検討

公募研究

研究領域学際的研究による顔認知メカニズムの解明
研究課題/領域番号 23119706
研究機関東京大学

研究代表者

川久保 友紀  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40396718)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード発達障害 / 脳画像 / アスペルガー障害 / 介入効果
研究実績の概要

<研究内容>本研究は、アスペルガー障害を持つ成人を対象に、自己理解、対人認知、感情の自己制御を促す集団療法を週1回3ヶ月実施し、その前後でfMRIを実施し、アスペルガー障害の神経基盤と集団療法による神経基盤の可塑性を明らかにすることを目的として実施された。
対象者60名のアスペルガー障害の診断には、DSM-IVおよび自閉症診断面接改訂版(ADI-R)、自閉症観察スケジュール(ADOS)を用いた。対象者を介入群と統制群とにランダムに割り付け、介入群は、4、5名のアスペルガー障害患者で1グループを形成し、心理社会的介入プログラムに参加し、統制群は、通常の精神療法のみを受けた。両群に対して、不安や抑うつ気分、生活の満足度、ストレス対処行動、自己の感情認知、心の理論課題、全般的生活機能評価、3テスラMR装置(GE Signa 3T MRI)を用いてfMRI検査を計2回実施した。
その結果、介入前後で、ストレス対処行動、自己の感情認知、心の理論課題、全般的生活機能評価に変化が見られた(黒田ら, 2012)。MRIデータでは、アスペルガー障害の神経基盤として、人の表情のような非言語的情報はあまり処理されず、言葉のような言語情報の処理が優勢となる特徴があることが明らかになった(Watanabe et al. 2012a,b)。
<意義>国内外ともに、国際的な診断基準を用いて成人のアスペルガー障害を診断した上で、集団療法を実施しその効果を検証する研究は行われていない。したがって、本研究により成人のアスペルガー障害に対する集団療法によって社会機能が高まることが明らかになったことは意義が大きい。さらに、脳画像データから明らかになった対人関係場面での情報処理特性が介入により変化するかについての解析が今後重要となる。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 発達障害の脳科学2013

    • 著者名/発表者名
      川久保友紀
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Rehabilitation

      巻: 22(1) ページ: 74-77

  • [雑誌論文] Network structure underlying resolution of conflicting nonverbal and verbal social information.2013

    • 著者名/発表者名
      Watanabe T
    • 雑誌名

      Social Cognitive and Affective Neuroscience

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diminished medial prefrontal activity behind autistic social judgments of incongruent information2012

    • 著者名/発表者名
      Watanabe T
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 7(6) ページ: e39561

    • DOI

      doi:10.1371/journal.pone.0039561

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Absence of age-related prefrontal NAA change in adults with autism-spectrum disorders.2012

    • 著者名/発表者名
      Aoki Y
    • 雑誌名

      Translational Psychiatry

      巻: 2 ページ: e178

    • DOI

      doi:10.1038/tp.2012.108.

    • 査読あり
  • [学会発表] A Randomized Controlled Trial of a Cognitive-Behavioral Intervention for Emotion Regulation in Adults with High-functioning Autism Spectrum Disorders2013

    • 著者名/発表者名
      Kuroda M
    • 学会等名
      International Congress of Autism
    • 発表場所
      ブタペスト, ハンガリー
    • 年月日
      2013-09-26 – 2013-09-28
  • [学会発表] 高機能自閉症スペクトラム障害成人への小集団認知行動療法による感情制御促進プログラム2013

    • 著者名/発表者名
      黒田美保
    • 学会等名
      外来精神療法学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2013-07-27 – 2013-07-27
    • 招待講演
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム障害成人への小集団認知行動療法の研究過程でみられた閾下症例2012

    • 著者名/発表者名
      黒田美保
    • 学会等名
      日本精神神経学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2012-05-24 – 2012-05-24
    • 招待講演

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公開日: 2018-02-02  

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