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2011 年度 実績報告書

ウィリアムズ症候群およびその他の先天異常症候群における顔認知等の検討

公募研究

研究領域学際的研究による顔認知メカニズムの解明
研究課題/領域番号 23119733
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

中村 みほ  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 室長 (70291945)

キーワードウィリアムズ症候群 / アイトラッカー / 顔 / 注視行動 / 定型発達 / 倒立効果 / 心の理論 / カブキ症候群
研究概要

ウィリアムズ症候群(WS)における顔への選好の特異性を明らかにするために,本年度新たに購入したアイトラッカー(Tobii)と行動データを同時計測可能なシステムを構築し,注視行動と反応時間および正答率の関係について研究を進めている.これまでの先行研究では繰り返しWS群における顔に対する選好があることが報告されているが,「どのように」選好するのかについては明らかにされてこなかった.
本研究では視覚探索パラダイムを用い,課題に関係の無い顔刺激に対してどのように注視行動が生じるかを反応時間および正答率を突き合せることにより検討をしている.
WS群のデータ計測と併せて,生活年齢および精神年齢をマッチさせた定型発達群のデータについても現在収集中であり,現時点において約70名の幼稚園児,小学生のデータを計測した.
結果,WS群においては課題に関連の無い顔刺激に対して定型発達群よりも有意に注視し,かつ,反応時間も顔の出現により定型発達群と比較して有意に遅延が見られた.
現在,更なる解析(注視データの時間的な変化等)を行い,反応時間と注視行動の関係について調べており,WS群における顔への特異な選好のメカニズムについて明らかにする実験もすすめている.注視行動と反応時間などの複数の指標を組み合わせることにより,WS群における顔処理特性について更に明らかにしていく.
また、従来WSに対して実施してきた、正立顔の同定についての心理学的検討、倒立効果の有無についての神経生理学的検討、心の理論の発達についての検討と合わせて、上記検討をカブキ症候群についても実施し、その疾患特性について検討を加える予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アイとラッカーの購入がスムーズにできた。
また、定型発達被験者の確保が課題であったが、周辺小学校のご協力により、予想以上の参加者を得ることができた。
以上より、今年度内の実験の立ち上げ、データの収集が順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

より低年齢の定型発達被験者の確保が最大の課題である。小学生を対象とした今年度の検討を通じ、地域住民からの一定の評価を得られているため、被験者の確保については明るい展望を持っている。(口コミ、地域のミニコミ誌での宣伝など、被験者保護者からの申し出あり。)
今後の検討内容としては、ウィリアムズ症候群における顔への選好のより詳しいメカニズムについて、tobiiを用いて、注視行動と反応時間などの指標により明らかにすること、他の先天異常疾患における顔認知メカニズムを明らかにすることを今後の目標とする。ウィリアムズ症候群、カブキ症候群被験者については長年の縦断的診療により、協力体制が確立している。実験手法に関しては今年度の踏襲により、実施するため、問題点は少ないと考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 22q11.21欠失症候群における認知機能-ウィリアムズ症候群との比較の下に-2011

    • 著者名/発表者名
      中村みほ, 早川文雄, 辻健史, 加藤徹, 村松友佳子, 平井真洋
    • 学会等名
      第53回小児神経学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-05-27
  • [学会発表] VIQがPIQに比して比較的高値であったPVLの1例における認知処理と言語能力に関する検討2011

    • 著者名/発表者名
      村松友佳子, 中村みほ, 夏目淳
    • 学会等名
      第53回小児神経学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-05-27

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公開日: 2013-06-26  

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