研究実績の概要 |
形質転換体として作成したDCP1-GFP植物、DCP2-GFP植物に環境ストレスとして高温(40℃)、低温(4℃)、塩ストレス(NaCl 200 mM)を処理し、根の伸長領域において蛍光観察を行った。得られた画像データからDCP1-GFPまたはDCP2-GFPに由来する顆粒を数値化し、コントロールとストレス処理植物間で比較した。高温処理は顆粒数の変化が大きかった90分、低温処理は20時間行うことにした。DCP1-GFP植物では高温、塩、低温処理により顆粒数が増加した。DCP2は高温、塩では顆粒数が増加したが、低温では顆粒数は増加しなかった。 高温処理、低温処理を施して顆粒数の変化をおこした植物を、通常の23℃に戻すと、それぞれ3時間、5時間ほどでコントロールと同じレベルの顆粒数となり、顆粒へと離合集散する過程が可逆的であることが示唆された。 上記ストレス処理前後の植物からタンパク質を抽出し、ウェスタンブロッティングを行い、DCP1, DCP2タンパク質の量の変化があるかないかを確認した。その結果、ストレスの前後において、DCP1-GFP植物、DCP2-GFP植物それぞれでDCP1、DCP2の全タンパク質の量に変化はなかった。 高温と塩ストレス処理によりDCP1のリン酸化が促進されることが確認された。一方で低温ストレス処理ではDCP1のリン酸化は促進されないことが明らかとなった。高温処理を施して顆粒数の変化をおこしたDCP1-GFP植物を、通常の23℃へと戻すと、リン酸化レベルはコントロールの植物と同じレベルに下がった。
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