研究概要 |
【目的】 植物の環境応答を支配する転写ネットワーク解明へ向けて、環境応答性プロモーターの総括的な理解のための解析の足場づくりを試みる。 1.【マイクロアレイデータを基にした転写制御配列予測法の確立】 マイクロアレイデータを基にした転写制御配列の予測法を新たに確立した(発表論文3)。我々の方法は既存のコンセンサス配列を抽出する手法(Gibbs Sampling,MEME)に比べるとはるかに高感度かつ正確に予測できることがわかった。確立した手法を用いて植物ホルモン(ABA,SA,ET,BR,CK,Aux,H_2O_2)応答を担う制御配列を総括的に予測した。また、環境ストレスや生物ストレス応答を担う制御配列を幅広く予測した(未発表データ)。 2.【合成プロモーターの作成と機能検証】 強光ストレス、UV、低温ストレス、重金属等の土壌ストレス、有用土壌菌による植物の耐病性誘導、過酸化水素応答、などに関わる転写制御配列を予測し、合成プロモーターの作成、植物への導入、を行った。これまでに約80の合成プロモーターを作成し、40程度のコンストラクトについては植物の形質転換(T1種子の調製)が完了した。現在単コピー挿入系統の選抜とライン化を進めている。
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