公募研究
植物培養細胞とシロイヌナズナの細胞核を可視化した蛍光イメージングラインを用いて、ストレスを加えた時の細胞核の変化を解析した。特に核内倍加と細胞体積変動の関連に注目した。さらに、細胞核ダイナミクスと連動した細胞内構造やオルガネラを特定するために、阻害剤実験や変異体解析を用いて制御機構を明らかにすることを目的とした。今年度は、前年度の結果を踏まえ、DNA損傷応答とオーキシンの関係について培養細胞と植物体を用いて解析を行った。タバコBY-2培養細胞でDNA損傷初期応答タンパク質抗体を用いた免疫染色を行った。その結果、オーキシン飢餓とDNA損傷を起こした場合、DNA損傷単独を起こした場合よりもDNA損傷初期応答が起きている細胞の割合が高くなった。また、シロイヌナズナ植物体では、DNA損傷誘導によりオーキシンの局在が変化すること、一部のオーキシン関連遺伝子欠損変異体はDNA損傷に対して感受性が高いことが明らかになった。1.「DNA損傷時におけるオーキシンの影響の検討」:オーキシン飢餓条件でDNA損傷を誘導した際に起こるDNA複製停止がDNA損傷応答経路のどの段階に関与しているかを調べるためにDNA損傷初期応答マーカーであるリン酸化H2AX(γH2AX)抗体を用いて細胞核の免疫染色を行った。2.「植物体におけるDNA損傷時におけるオーキシン応答」:DNA損傷時におけるオーキシン応答を観察するために、DR5-GFP、IAA19-GUS、DII-VENUS形質転換植物を用いた。春化後4日目のシロイヌナズナ植物体をDNA損傷誘導剤添加培地に移し2日間処理したところ、DR5-GFP、IAA19-GUS、DII-VENUSいずれのラインにおいてもオーキシン局在の変化が観察された。植物体においてオーキシン関連遺伝子欠損変異体のDNA損傷感受性を確認した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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