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2012 年度 実績報告書

挑戦的な変異体スクリーニング法によるフィトクロムBのN末端領域の下流因子同定

公募研究

研究領域植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで
研究課題/領域番号 23120522
研究機関九州大学

研究代表者

松下 智直  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20464399)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワードフィトクロム / 光形態形成 / シグナル伝達 / 変異体スクリーニング
研究実績の概要

植物の主要な光受容体であるフィトクロムは、PIFと呼ばれるbHLH型転写因子と光依存的に相互作用し、PIFをタンパク分解へと導くことで、その標的遺伝子の転写量を変化させ、光応答を引き起こすと考えられている。
我々はそのような背景のなか、フィトクロムの最も主要な分子種であるphyBの下流経路の見直しを図る目的で、大規模な変異体スクリーニングによる順遺伝学的解析を行い、その結果、新奇スプライシング制御因子RRC1がphyBの光シグナル伝達に必要であり、phyBがRRC1を介して、いくつかの遺伝子の選択的スプライシングを光依存的に制御することを明らかにした。
次に我々は、次世代シーケンサーを用いたmRNA-seq解析を行うことで、phyBがそのN末端領域からのシグナル伝達により、PIFを介した転写制御の時とは異なる標的遺伝子に対して、赤色光量依存的に選択的スプライシング制御を行うことを明らかにした。
RRC1はスプライソソームを構成すると考えられる新奇のSR蛋白質であり、一般にSR蛋白質のC末端には、アルギニンとセリン残基に富み、主に蛋白質間相互作用に働くRSドメインが存在する。我々は、RRC1自身の蛋白質蓄積量はphyBシグナルの有無によって変化しないこと、そして、phyBによる選択的スプライシング制御と光シグナル伝達の両方に、RRC1のRSドメインが必要であることを明らかにした。以上の結果から、phyBシグナルが何らかの形でRRC1のRSドメインに入力され、その結果、RRC1を含むスプライソソームの構成因子の組成が変化することで、標的遺伝子の選択的スプライシングパターンが変化し、光生理応答が引き起こされるという可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The RS domain of Arabidopsis splicing factor RRC1 is required for phytochrome B signal transduction.2012

    • 著者名/発表者名
      Hiromasa Shikata
    • 雑誌名

      The Plant Journal

      巻: 70 ページ: 727-738

    • DOI

      10.1111/j.1365-313X.2012.04937.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deletion of the RS domain of RRC1 impairs phytochrome B signaling in Arabidopsis.2012

    • 著者名/発表者名
      Hiromasa Shikata
    • 雑誌名

      Plant Signaling Behavior

      巻: 7 ページ: 933-936

    • DOI

      10.4161/psb.20854

    • 査読あり
  • [学会発表] フィトクロムは選択的スプライシングを制御する2013

    • 著者名/発表者名
      四方明格
    • 学会等名
      第54回 日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2013-03-21 – 2013-03-23
  • [学会発表] RNA-seq解析によるフィトクロムBの選択的スプライシング制御の標的遺伝子同定とその機能推定2012

    • 著者名/発表者名
      柴田磨己
    • 学会等名
      日本分子生物学会第35回年会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2012-12-11 – 2012-12-14
  • [学会発表] Phytochrome B controls alternative pre-mRNA splicing through Arabidopsis splicing factor RRC12012

    • 著者名/発表者名
      Hiromasa Shikata
    • 学会等名
      10th International Congress on Plant Molecular Biology
    • 発表場所
      Jeju, Korea
    • 年月日
      2012-10-21 – 2012-10-26
  • [学会発表] 植物の光情報受容体フィトクロムによる細胞内シグナル伝達機構の解析2012

    • 著者名/発表者名
      松下智直
    • 学会等名
      第17回2012年日本光生物学協会年会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2012-08-17 – 2012-08-18
    • 招待講演
  • [学会発表] Red Light-dependent Alternative Splicing in Phytochrome B Signaling2012

    • 著者名/発表者名
      Hiromasa Shikata
    • 学会等名
      The 23rd International Conference on Arabidopsis Research
    • 発表場所
      Vienna, Austria
    • 年月日
      2012-07-03 – 2012-07-07

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公開日: 2018-02-02  

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