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2011 年度 実績報告書

自然免疫系受容体によるリガンド認識とシグナル伝達の構造的基盤

公募研究

研究領域細胞シグナリング複合体によるシグナル検知・伝達・応答の構造的基礎
研究課題/領域番号 23121510
研究機関東京大学

研究代表者

大戸 梅治  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (90451856)

キーワード自然免疫 / 受容体
研究概要

本申請課題では,自然免疫系の受容体によるリガンド認識機構やシグナル伝達機構を主にX線結晶構造解析により明らかにすることを目的として,主に以下の3つのグループに焦点を当てて研究を進める。
1.核酸認識TLRs(TLR7,TLR8,TLR9)と核酸の複合体(抗ウイルス薬,ワクチン)
2.細胞内NLRs(Nod1,Nod2)とリガンドの複合体(クローン病,アレルギー)
3.TLRの輸送や機能を制御する蛋白質(RP1O5/MD-1,PRAT4A,B)(自己免疫疾患)
本年度は,核酸を認識する自然免疫系受容体のTLR7,TLR8,TLR9について,ショウジョウバエS2細胞での発現系を構築した。ヒトTLR7,マウスTLR7,マウスTLR9については精製条件を確立して,結晶化可能な量の蛋白質が得られるようになった。結晶化条件を検討して,ヒトTLR7/RNA複合体,マウスTLR9については既に結晶を得ており,今後条件を最適化して構造決定を目指す。
また,細胞内のNOD受容体について,ヒトとマウス由来のNOD1とNOD2受容体についての大腸菌発現系とS2細胞発現系を構築した。現在精製条件を検討している段階である。また,同時にリガンド結合ドメインおよび多量体化ドメインの欠損体の発現系も構築している。
TLRの機能を制御する蛋白質に関しては,TLR4/MD-2と相互作用してLPS応答に関与するとされているRP1O5/MD-1受容体についてヒトとマウス由来の蛋白質を調製,結晶化し,構造決定に成功した。これに関しては,既に論文報告している。今後はTLR4/MD-2との相互作用について検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的1-3について,いずれも発現系の構築が完了しており,1については既に結晶を得ている。3については既に構造解析に成功した蛋白質もある。

今後の研究の推進方策

おおむね順調に進んでいるので,このままの計画で研究を遂行する予定である。次年度は特に1の核酸認識TLRの構造解析と2の細胞内のNOD受容体についての研究に特に注力する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Saturated Fatty Acid and TLR Signaling Link β Cell Dysfunction and Islet Inflammation2012

    • 著者名/発表者名
      Eguchi, K., Manabe, I., Oishi-Tanaka, Y., Ohsugi, M., Kono, N., Ogata, F., Yagi, N., Ohto, U., Kimoto, M., Miyake, K., Tobe, K., Arai, H., Kadowaki, T., Nagai, R.
    • 雑誌名

      Cell Metab

      巻: 15 ページ: 1-16

    • DOI

      doi:10.1016/j.cmet.2012.01.023

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression, purification, crystallization and preliminary X-ray crystallographic analysis of human β-galactosidase2012

    • 著者名/発表者名
      Usui, K., Ohto, U., Ochi, T., Shimizu, T., Satow, Y.
    • 雑誌名

      Acta Crystallogr.Sect.F

      巻: 68 ページ: 73-77

    • DOI

      doi:10.1107/S1744309111047920

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystal Structure of Human β-Galactosidase : STRUCTURAL BASIS OF GM1 GANGLIOSIDOSIS AND MORQUIO B DISEASES2012

    • 著者名/発表者名
      Ohto, U., Usui, K., Ochi, T., Yuki, K., Satow, Y., Shimizu, T.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem.

      巻: 287 ページ: 1801-1812

    • DOI

      DOI10.1074/jbc.M111.293795

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystal structures of mouse and human RP105/MD-1 complexes reveal unique dimer organization of the toll-like receptor family2011

    • 著者名/発表者名
      Ohto, U., Miyake, K., Shimizu, T.
    • 雑誌名

      J.Mol.Biol.

      巻: 413 ページ: 815-825

    • DOI

      doi:10.1016/j.jmb.2011.09.020

    • 査読あり
  • [学会発表] 自然免疫系RP105/MD-1複合体の構造解析2012

    • 著者名/発表者名
      大戸梅治, 三宅健介, 清水敏之
    • 学会等名
      日本薬学会132年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] Structural analyses of mouse MD-1 protein complexed with endogenous phospholipid2011

    • 著者名/発表者名
      Umeharu Ohto, Hitomi Harada, Yoshinori Satow
    • 学会等名
      International Union of Crystallography 2011
    • 発表場所
      Madrid, Spain
    • 年月日
      20110824-20110825
  • [備考]

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~kouzou/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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