研究概要 |
1.gpSp-gp5Lyzの結晶構造解析 Spackle蛋白質とgp5のリゾチームドメイン(gp5-Lyz)の複合体の結晶構造解析に成功し、1.15A分解能の複合体の結晶構造を得ることができた。その結果、Spはgp5-Lyzの活性クレフトの側面に結合し基質結合を阻害していることが分かった。また、T4リゾチーム(gpE)アンバー変異株のバイパスミュータントとして知られる5ts1のgp5の変異部位Gly332はSpとgp5-Lyzの結合に必須な残基であることが示された。 2.gpT-CTD,gpRI-CTDの発現・精製 gpT,gpRIのC末端側のペリプラズムドメイン(CTD)のN末端にpelBのシグナル配列を付加したgpT-CTD,gpRI-CTDの大腸菌における大量発現系を構築した。gpT-CTD,gpRI-CTDはともに期待通りペリプラズムに発現していることが分かった。可溶性各分に発現していたgpRI-CTDに関しては、イオン交換クロマトグラフィー・ゲル濾過クロマトグラフィーによって、単一な蛋白質として精製することに成功した。超遠心分析によりこの精製標品は溶液中で単量体として存在することが示された。不溶性各分として回収されたgpT-CTDに関しては、pH9.5,1.2Mアルギニンの条件で可溶化することに成功した。 3.gpT-CTD,gpRI-CTD複合体の結晶化 pH9.5,1.2Mアルギニンの条件で可溶化したgpT-CTDに精製したgpRI-CTDを添加しその後アルギニンを透析により徐々に除くことにより、gpT-CTD_gpRI-CTD複合体を得ることに成功した。超遠心分析によりこの精製標品は溶液中で2:2の複合体として存在することが示された。また、pHを9.5からpH8.0にすると、この2:2の複合体がさらに2量体,3量体と重合していくことが分かった。さらに、この複合体について結晶化を試み、結晶化に成功した。
|