研究領域 | サンゴ礁学-複合ストレス下の生態系と人の共生・共存未来戦略- |
研究課題/領域番号 |
23121703
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
関谷 直也 東洋大学, 社会学部, 准教授 (30422405)
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キーワード | 社会調査 / パブリック・リレーションズ / 生物多様性 / サンゴ礁 / 環境問題 / 環境保全 / CSR |
研究概要 |
サンゴ礁を保全し、人とサンゴ礁が共生・共存する社会を構築するためには、科学的知見をサンゴ礁に関わりのあるステークスホルダー(地元住民、地元自治体、政府、企業、NGO、観光産業、観光客)に受け入れてもらえるための戦略が必要である。 サンゴ礁保全・共生においては、サンゴにストレスを与えないために推奨される行動は、赤土を海に流さないための営農的対策・土木的対策など、ある程度、明らかになりつつある。そのため、行動変革を促すときに用いられる応用としてのマーケティング技法「Social Marketing」の考え方を適用しつつ、サンゴ礁の保全・共生のためのコミュニケーション戦略ないしキャンペーン戦略を策定する。このため本研究は全体として、サンゴ礁保全・共生活動の現状として、上記にあげたステークスホルダー毎のサンゴ礁に対する認識、問題点の分析を、一般的な社会調査技法を用いて行うものである。 本研究は、アウトリーチ活動を新規に創造するというよりも、サンゴ礁研究の現状分析を踏まえ、領域の研究者ほか「サンゴ礁学」の研究実践を通じて行われるアウトリーチ活動などを、コミュニケーション・デザインの観点から捉えなおし、パブリック・リレーションズ、ソーシャル・マーケティングの枠組みの中に位置づけ、どのようなメッセージを投げかけ、どのようなコミュニケーションをとるべきなのかを再整理するものである。 本年度は、そのための準備活動をおこなった。具体的には、資料収集、情報収集および翌年度の調査対象先・調査方法の選定、プレサーベイおよびディスカッションである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
筆者は、環境問題のほかに自然災害、原子力災害、風評被害を研究領域としているが、東日本大震災の影響で、これにかかる調査・研究業務がひっ迫し、また東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会技術・政策調査参事、原子力損害賠償紛争解決センター被害調査委員会座長、災害情報学会東日本大震災調査団長などイレギュラーな業務が発生した。そのため、若干、研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
・企業のCSRが昨年度の震災で傾向が変化しているので、これを踏まえて生物多様性をとりまくCSRの動きについて記述する。 ・住民調査としては、国立環境研究所の浪崎氏による調査が行われており、申請者もこれに協力している。よって、本研究としては、住民以外のステークスホルダー(主として、NGO、企業および観光客)と「サンゴ礁学」「サンゴ礁保全」の関係性の分析に焦点をしぼることとする。
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