研究領域 | 血管ー神経ワイヤリングにおける相互依存性の成立機構 |
研究課題/領域番号 |
23122504
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 徹郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00334235)
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キーワード | 発生・分化 / 再生医学 |
研究概要 |
分布パターンや形成を調節するシグナルなど共通部分の多いリンパ管と血管・神経の間の相互作用を司る分子機構については未解明な部分が多く残されており、それを解明することが本申請課題の目的である。平成23年度は下記の研究成果を得た。 (1)血管・リンパ管系と神経系の形成におけるBMPシグナルの役割の検討 リンパ管の形成に対してBMP9が抑制的に機能することをヒト皮膚由来リンパ管細胞ならびに膵臓癌移植モデルを用いて明らかにした。 (2)中枢神経系におけるリンパ管形成抑制因子の探索 ヒト皮膚由来リンパ管細胞にBMP9を加えたときに発現が変化する因子をcDNAマイクロアレイを用いて網羅的に探索した。 (3)リンパ管系が血管系と神経系のワイヤリングに与える効果の検討 BMP9ノックアウトマウスの解析を進行中である。 以上の研究成果はリンパ管の形成機構をより詳細に解明することにより、リンパ性浮腫やがんリンパ節転移の治療につながるという点で意義は大きいとともに、未解明の部分が多いリンパ管と神経との相互作用の理解に向けて進展があったという点で本領域へ貢献したと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた研究を順調に達成しており、成果を得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度においては、上記の目的の研究を推進する。具体的には、神経組織においてBMP9またはBMP9により発現が誘導されるリンパ管形成阻害因子が発現しているか確認し、その役割について検討する。さらに、BMP9ノックアウトマウスなどの解析を通じてリンパ管の形成不全が神経組織の構築に対して与える影響を検討する。
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