公募研究
これまでの研究から、血管-神経ワイヤリングにおける介在細胞と考えられるmacrophage系細胞はF4/80陽性であり、更にVEGF receptor陽性であることを確認している。我々はmacrophage系細胞が欠損しているop/opマウスの解析を行い、我々が独自に開発した創傷治癒モデルにおいて血管新生のドラスチックな障害がみられることを見出した。また、op/opマウス創傷治癒モデルで神経再生に障害がおこるのかを免疫組織化学的手法により精査しつつある。さらに我々は、in vitroの系で血管-神経ワイヤリングを再現する系の開発に着手している。In vitroの血管-神経ワイヤリング構築系でF4/80^+VEGF receptor^+の細胞をflow cytometryで分画した後、血管-神経ワイヤリングに介在するかを検討の後、発現遺伝子解析等に移行し、血管-神経ワイヤリングの形成にmacrophage系細胞のどのような因子が重要であるかを同定することに着手している。血管が提供する神経幹細胞に対するニッチの研究では、現在まで、血管内皮細胞と神経幹細胞との共培養系の確立を鋭意推進中であり、血管内皮細胞と神経細胞を共培養すると、神経幹細胞の保持と神経分化に変化があることが明らかになった。血管内皮細胞が産生するendothelial microparticles(EMP)が神経幹細胞の分化をコントロールしている可能性が示唆されるため、共培養系に存在するEMPおよびその他の蛋白質などの詳細な解析に着手しているところである。
2: おおむね順調に進展している
In vivoの評価系の確立と評価の進捗、in vitroでの評価系の確立と評価の開始ができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
非常に新規性の高い血管-神経ワイヤリングのin vivoにおけるde novo評価系が確立できたことより、血管と神経とのインタラクションに関与する細胞群を同定することが今後の目的になる。また、血管性ニッチの研究では、おおむね評価系の確立が完成したので、今後は神経幹細胞のstemness維持や神経への分化に対する作用に対してEMPがどれほど関与しているかを検討することとなる。本研究はおおむね順調に進行しており、研究の大きな変更は無い。
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Cardiovasc Diabetol
巻: 10 ページ: 73
J Pharmacol Exp Ther
巻: 337 ページ: 591-599
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http://www.med.u-toyama.ac.jp/pharma/index.html