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2011 年度 実績報告書

大脳皮質抑制性介在ニューロンの多様性を生み出す新たなメカニズム

公募研究

研究領域神経細胞の多様性と大脳新皮質の構築
研究課題/領域番号 23123511
研究機関大阪大学

研究代表者

村上 富士夫  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (20089882)

キーワード大脳皮質 / 抑制性介在ニューロン / 発生 / 多様性
研究概要

大脳皮質の抑制性介在ニューロンの多様性は大脳皮質の高度な機能の発現にとって極めて重要と考えられるものの、介在ニューロンによって形成される局所回路は極めて複雑であるため、その機能の全容の解明には至っていない。またその多様性の理解には、その構築プロセス、卸ち発生の解明が重要である。これまでの転写因子発現時期と部位の特異性を利用した研究で、介在ニューロンの誕生部位と時期とがそのサブタイプ決定に重要な要因であることが示されているが、依然として多様性の一部しか説明できていない。その理由の一つとして考えられるのが、標識に利用される転写因子の発現が脳室に接するprogenitorに必ずしも限局されていない事が考えられる。そこで本研究では、特定の発生時期に脳室層に存在するprogenitorから生まれる細胞がニューロンに分化するまでに分裂する回数の違いによって異なる運命を辿るか否かの解明を目指す。また、その結果どのような表現型に違いが生ずるのかを明らかにし、またそのメカニズムの解明を目指す。皮質介在ニューロンの標識は子宮内電気穿孔法で行った。遺伝子導入は大脳皮質介在ニューロンが生まれ始める胎生10.5日目以降におこなった。導入するプラスミドとしては、通常用いられるmcherryなどのプラスミドの他にtransposaseを利用したプラスミドを用いた。具体的にはTol2トランスポゼースをコードするpCAAGGS-T2TP(Kawakami et al., 2004)とpT2K-CAGGS-EGFP(Sato et al, 2007)、即ちTol2 transposon-flanked EGFPとを混合したもの(以下Tol2EGFPと記す)を用いた。その結果、前者では辺縁層と一層にかなり限局されて、また後者の場合、それに加えてより深層にも標識細胞が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基本的に予想どおりの結果が得られている。さらにトランスポゼースを用いた方法の他にcrerecombinase遺伝子をcreレポータマウスに電気穿孔する方法でも実験を行ったが、基本的に同様な結果が得られている。

今後の研究の推進方策

これまでの知見に照らし合わせると深層の細胞が中心に染まってくるはずであるが、実際は標識細胞は浅層の細胞であった。これらが如何なるサブセットであるのかを解明するべく免染、in situ,BrdUを用いた実験などで解明を進めているところである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Formation of Axon-dendrite Polarity in situ : Initiation of Axons from Polarized and Non-polarized2012

    • 著者名/発表者名
      Y.Hatanaka, K.Yamauchi, F.Murakami
    • 雑誌名

      Cells Development Growth and Differentiation

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intrinsic and Extrinsic Mechanisms Control the Termination of Cortical Interneuron Migration2012

    • 著者名/発表者名
      N.Inamura, T.Kamura, S.Tada, T.Kurakashi K, Y.Yanagida, Y.Yanagawa, K.Ikenaka, F.Murakami
    • 雑誌名

      J Neurosci

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of Neph2 in pontine nuclei formation in the developing hindbrain2011

    • 著者名/発表者名
      K.Nishida, K.Nakayama, S.Yoshimura, F.Murakami
    • 雑誌名

      Mol Cell Neurosci

      巻: 46 ページ: 662-670

    • DOI

      10.1016/j.mcn.2011.01.007

    • 査読あり
  • [学会発表] Migration, its Termination, Axon Initiation and Maturation of Cortical Interneurons2012

    • 著者名/発表者名
      村上富士夫
    • 学会等名
      第59回NIBB CONFERENCE "Neocortical Organization"
    • 発表場所
      岡崎コンファレンスセンター(愛知県)(招待講演)
    • 年月日
      20120310-20120313
  • [学会発表] 皮質在介ニューロンの移動、成熟と軸索形成2011

    • 著者名/発表者名
      村上富士夫
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] 内在性要因と環境が大脳皮質抑制性ニューロンの移動の停止を調節する2011

    • 著者名/発表者名
      稲村直子, 木村俊哉, 多田智史, 倉橋崇, 柳川右千夫, 池中一裕, 村上富士夫
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] 線条体striosome/matrix構造形成過程におけるmedium spinyneuronの発生・発達様式2011

    • 著者名/発表者名
      萩本和也, 高見紗季, 鳥越万紀夫, 村上富士夫, 田辺康人
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-16

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公開日: 2013-06-26  

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