公募研究
本研究では、刺激によって活性化された遺伝子が、組織化されたRNAポリメレースII(Pol II)を含む転写ファクトリーに動員される際、複数の遺伝子群が同じファクトリーにとりこまれるため、組織化されたPol IIを介した染色体構造変化がおこる、という仮説にもとづいて、クロマチン構造解析を効率的に行う手法の開発を進めた。従来、個別二点の相互作用を解析する、クロマチン相互作用はChromatin Conformation Capture (3C)、特定の遺伝子と相互作用する部位を全ゲノム的に同定するcircular Activated Chromosome Trap (ACT)-seqを開発に加え、全ゲノム上でのクロマチン相互作用を観察する手法として、chromatin interaction analysis using paired-end tag sequencing (ChIA-PET)を実施し、炎症性刺激をうけた内皮細胞において、Pol IIを介した染色体間相互作用を網羅的に同定した。この検討を経時的に実施することによって、刺激を受けた内皮細胞では、刺激直後30分以内にクロマチン構造が変化し、遠隔転写制御領域が遺伝子毎ではなく、領域毎に有効活用されている様子が明らかになった。また、miRNAホスト遺伝子群でも相互作用が観察され、遺伝子転写制御においてもクロマチン構造変化が関与していること、これに関わるmiRNA遺伝子群特異的転写複合体が存在することを見いだし報告した。しかしながら同手法は大量の免疫沈降産物を必要とすること、20塩基の配列を使ってゲノム上に配列を同定することから特異性に改善の余地があるため、異なる制限酵素や核酸破砕法を用いた手法の開発を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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