研究領域 | ゲノムアダプテーションのシステム的理解 |
研究課題/領域番号 |
23125509
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三村 覚 大阪大学, 理学研究科, 助教 (60432233)
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キーワード | レトロトランスポゾン / DNA複製 / チェックポイント |
研究概要 |
近年出芽酵母において複製フォークの進行が妨げられるとチェックポイントが活性化され出芽酵母のレトロトランスポゾンの一種であるTy1の転移活性が上昇することが示された。しかし、その分子機構や、同様な現象が高等真核生物でも観察されるのかほとんどわかっていない。 哺乳動物培養細胞においてもレトロトランスポゾンの転移が複製ストレスによって活性化されるかどうかを調べた。レトロトランスポゾンとしてLTR型レトロトランスポゾンMMTV、非LTR型レトロトランスポゾンであるLINE-1を用い、転移が起こった細胞が薬剤耐性となることを利用して、転移効率を調べた。その結果、いずれのレトロトランスポゾンを用いた場合でも、ヌクレオチドを枯渇させ複製フォークの進行を妨げるヒドロキシウレアで細胞を処理すると転移効率の上昇が認められた。この上昇はチェックポイントの阻害剤であるカフェインを同時に処理することにより抑制された。以上の結果は出芽酵母のTy1のみならず、真核生物の種々のレトロトランスポゾンにおいても複製ストレスによってチェックポイントの依存的に転移効率が上昇することを示している。 出芽酵母のrtt101変異体ではチェックポイントキナーゼのDun1の活性依存的にTy1の転移活性化がおこる。Dun1の下流で起こるどのような現象がTy1の転移上昇につながるのかわかっていない。一般に、Dun1の下流には、リボヌクレオチドリダクダーゼの活性上昇と、チェックポイントに依存した遺伝子の転写活性化があることが知られている。出芽酵母の遺伝学的解析を行った所、これらの経路はいずれもDun1によるTy1の転移効率の上昇には必要ないことがわかった。この結果はDun1の下流に未知の経路が存在しTy1の転移上昇に関わっていることを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
培養細胞を用いた解析の立ち上げに時間がかかった。生化学的解析を行うための組替えタンパク質の作成が難航している。
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今後の研究の推進方策 |
解析方法の短縮化の模索を行う。 比較的解析の行ないやすい出芽酵母を用いた解析をより行う。
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