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2011 年度 実績報告書

摂食障害とストレス

公募研究

研究領域食欲と脂肪蓄積の制御と破綻の分子基盤の解明
研究課題/領域番号 23126529
研究機関国立国際医療研究センター

研究代表者

千田 大  国立国際医療研究センター, 研究所, 室長 (90312842)

キーワードHPA axis / 摂食障害 / ストレス / 遺伝子改変マウス
研究概要

摂食には、視床下部によって制御される生命機能に必要な恒常性を維持するための摂食(homeostatic eating)と、飲食物のおいしさ(味覚や嗅覚、視覚などによる感覚情報)に起因し、前頭葉の神経のネットワーク(人間の精神や思考、情緒を制御する)の影響を受ける嗜好性に基づく摂食(hedonic eating,palatability-induced eating)に分類する事が出来る。摂食障害は恒常性を維持するための摂食の病気ではなく、「人からどう思われるのか」という意識に関連し、ストレスを背景とした嗜好性に基づく摂食の異常に基づく病気である。ストレスは、CRHシステムを活性化すると共に、視床下部・下垂体・副腎軸(HPA軸)を活性化し、下垂体からのACTH分泌を介して、副腎皮質からグルココルチコイド分泌を誘導して、ネガティブフィードバックを引き起こす。HPA軸の異常と摂食障害との関連を示唆する臨床データが蓄積してきている。申請者らが、世界に先駆けて、作成・解析してきたMC2R KOマウス(Chida et al.PNAS 2007)では、グルココルチコイドが産生されず、ネガティブフィードバックが起こらないために、視床下部においてCRH発現が増強され、下垂体におけるPOMC発現が増強され、血中ACTHレベルが亢進し、高齢で痩せを呈する。本研究では、摂食障害モデルとしてのMC2R KOマウスの有用性を確立し、HPA軸の異常と内在性オピオイドの制御異常による摂食障害の病態解明と治療法の開発を目的として研究を推進している。本年度は、実施計画どおりにオペラント・レバー押し試験系を導入し、MC2R KOマウスにおいて高脂肪食2対する嗜好性が亢進している事を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の計画通りに実験系を導入、確立し、期待通りの結果が得られている。

今後の研究の推進方策

研究代表者が所属機関を異動することになり、実験のセットアップに時間が掛かる事が予想される。速やかに実験体制を確立し、研究を遂行する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The role of glucocorticoids in pregnancy, parturition, lactation, and nurturing in melanocortin receptor 2-deficient mice2011

    • 著者名/発表者名
      Chida D, Miyoshi K, Sato T, Yoda T, Kikusui T, Iwakura Y
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 152(4) ページ: 1652-60

    • DOI

      10.1210/en.2010-0935

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional Hypothalamic Amenorrhea Due to Increased CRH Tone in Melanocortin Receptor 2-Deficient Mice2011

    • 著者名/発表者名
      Chida D, Matsuwaki T, Nishihara M, Iwakura Y
    • 学会等名
      32nd Naito conference
    • 発表場所
      八ヶ岳
    • 年月日
      20111000
  • [学会発表] CRHは、GnRHの発現抑制を介して、性周期遅延を引き起こす2011

    • 著者名/発表者名
      千田大、松脇貴志、西原真杉、岩倉洋一郎
    • 学会等名
      第21回間脳下垂体・副腎研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20110900
  • [学会発表] シンポジウム9生殖機能の中枢性調節:最近の知見HPA軸による間脳下垂体性腺系への影響~ACTH受容体(MC2R)遺伝子欠損マウスの解析2011

    • 著者名/発表者名
      千田大、松脇貴志、西原真杉、岩倉洋一郎
    • 学会等名
      第84回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20110400

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公開日: 2013-06-26  

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