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2011 年度 実績報告書

日本人統合失調症家系のゲノム解析に基づく疾患発症に関わるゲノム多様性と病態の解明

公募研究

研究領域パーソナルゲノム情報に基づく脳疾患メカニズムの解明
研究課題/領域番号 23129501
研究機関筑波大学

研究代表者

有波 忠雄  筑波大学, 医学医療系, 教授 (10212648)

キーワードゲノム / 脳神経疾患 / 統合失調症
研究概要

統合失調症の家系サンプルのうち6人を対象に主に連鎖領域である1p21.2-p13.2、14q11.2-q13.2、20p12.1-q11.2に重点を置いて次世代シークエンサーを使ってエクソーム解析を行った。その結果、連鎖領域では他の領域と比べて挿入変異が有意に多く、また、変異の位置は5'非翻訳領域に多かった。また20Pの領域では非同義置換の割合が有意に多く、これまで知られていない変異の数もとくに20pに多かった。遺伝子産物に影響を与える可能性の高い変異は、1p連鎖領域に3ヶ所、14q連鎖領域に3ヶ所、20pに1ヶ所見つかり、複数のサンプルで同一の変異も存在した。一方、解析した多くの患者で共通の稀なゲノム変異は見つからなかった。現在はまだサンプル数も少なく結論は得られないが、家系により統合失調症に関与する変異の種類が異なることはこれまで予想されたとおりであった。一方、これまで知られていない稀な変異が5'非翻訳領域に有意に多いことは、統合失調症の発症に関わる変異は家系ごとに異なっているとしても遺伝子の発現調節に関与している種類が多いということを示唆しており、これもこれまで統合失調症に関連する遺伝子変異の解析で明らかになったことである。本研究はエクソーム解析は解析数は少ないながらも統合失調症の発症に関わる変異群の特徴を示すデータを産出する力を持っていることを示すとともに、次世代シークエンサーを使った解析が統合失調症においても患者一人ひとりで関与する変異が異なるパーソナルゲノム解析に役立つツールであることを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

次世代シークエンサーの立ち上げにやや時間がかかり、解析したサンプル数が少数にとどまっている。

今後の研究の推進方策

最大のハードルである次世代シークエンサーによる解析が軌道に乗ったので今後はサンプル数を増やすことにより、目的を達成できるものと予想される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Association of SNPs linked to increased expression of SLC1A1 with schizophrenia2012

    • 著者名/発表者名
      Horiuchi Y, Iida S, Koga M, Ishiguro H, Iijima Y, Inada T, Watanabe Y, Someya T, Ujike H, Iwata N, Ozaki N, Kunugi H, Tochigi M, Itokawa M, Arai M, Niizato K, Iritani S, Kakita A, Takahashi H, Nawa H, Arinami T
    • 雑誌名

      American Journal of Medical Genetics

      巻: 159B ページ: 30-37

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Schizophrenia with the 22q11.2 deletion and additional genetic defects : case history2011

    • 著者名/発表者名
      Toyosima M, Maekawa M, Toyota T, Iwayama Y, Arai M, Ichikawa T, Miyashita M, Arinami T, Itokawa M, Yoshikawa T
    • 雑誌名

      British Journal of Psychiatry

      巻: 199 ページ: 245-246

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Positive association of phencyclidine-responsive genes, PDE4A and PLAT, with schizophrenia2011

    • 著者名/発表者名
      Deng X, Takaki H, Wang L, Kuroki T, Nakahara T, Hashimoto K, Ninomiya H, Arinami T, Inada T, Ujike H, Itokawa M, Tochigi M, Watanabe Y, Someya T, Kunugi H, Iwata N, Ozaki N, Shibata H, Fukumaki Y
    • 雑誌名

      American Journal of Medical Genetics

      巻: 156B ページ: 850-858

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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