研究概要 |
本研究の対象である常染色体優性遺伝性パーキンソン病家系から新規原因遺伝子を単離する目的で、3名の患者についてエクソーム解析を実施した。全エクソン領域の濃縮にはアジレント社のSureSelect Human All Exonキットをもちい、イルミナ社のGenome Analyzer IIxでシークエンスを行った。その結果、約80%のカバー率で3名の患者のエクソン領域の配列を得る事が出来た。さらに追加で1名の患者について全ゲノムシークエンスをイルミナ社のHiSeq 2000をもちいて実施した。この結果、全ゲノムの91%以上のカバー率で患者の全ゲノム配列を得る事が出来た。また、患者7名および非/未発症兄弟5名について、全ゲノムSbPs タイピングをアフィメトリクス社 Genome-Wide Human SNP Array 6.0をもちいて行い、SNP HitLinkおよびMerlinソフトウエアをもちいてゲノムワイド連鎖解析を実施した。連鎖解析は本年度導入したワークステーション(HP Z600)をもちいた。 連鎖解析およびエクソームまたは全ゲノム解析の結果を統合し、患者特異的遺伝子変異の絞り込みを行った。患者4名から合計約370万の多型を検出し、(1)連鎖領域に存在する,(2)SMPとして登録がない,(3)エクソンまたはスプライス領域に存在する,(4)非同義変異であるという条件で候補遺伝子変異を絞り込んだ結果、4種類の多型を見出すことが出来た。
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