研究領域 | 性差構築の分子基盤 |
研究課題/領域番号 |
23132501
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
黒岩 麻里 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20372261)
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キーワード | 性決定 / 性分化 / 遺伝子 / 生殖腺 / ニワトリ / Z染色体 |
研究概要 |
鳥類は表現型、行動など様々な面において、多様性に富む種特異的な性的二型をもつ一方で、性差構築の第一ステップである生殖腺分化メカニズムは、分類群内で非常に保存的であることが知られている。また、鳥類の代表的なモデル動物であるニワトリは有用な産業動物であるため、ニワトリを用いた鳥類の生殖腺性差構築メカニズムを明らかにすることは、基礎生物学的にも応用生物学的にも重要性が高い。しかし現在までのところ、鳥類においては生殖腺性差構築の分子基盤は未解明な部分が多く残されている。よって本研究では、鳥類特異的な生殖腺の性差構築メカニズムを明らかにすることを目的とし、鳥類特異的に精巣分化に働く新規遺伝子CHH(仮称)について、生殖腺に限定した過剰発現実験および発現抑制実験行い、CHH遺伝子の機能を明らかとする。また、CHH遺伝子と機能的な関わりをもつ分子を同定し、これらの作用機序を明らかとすることで、鳥類特異的な生殖腺における性差構築の分子メカニズムの一端を明らかにする,平成23年度には、ニワトリ初期胚の生殖腺限定的に遺伝子の導入が可能であり、かつ高い導入効率を示す、in vivoリポフェクションを応用した遺伝子導入法を確立した。しかしCHH遺伝子を組み込んだRCASBP(A)ベクターは、生殖腺への感染、発現に至らなかった。よって、胚盤葉に遺伝子導入する方法を新たに取り入れ、過剰発現実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度め最大の目標であった、生殖腺に限定した遺伝子導入法の確立に成功した。本研究が解析対象としているCHH遺伝子の導入は実現しなかったが、導入に至らなかった原因等を把握ができている。また、解決策として、胚盤葉に導入する方法を新たに取り入れ、解析を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
生殖腺に限定した導入法は、CHH遺伝子については応用できないことが判明したため、今後は胚盤葉に導入する方法を用いて、解析を進める。
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